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医療業界のデジタル革命を後押しするFHIRテクノロジー #MongoDB #医療 #FHIR

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本ブログは、MongoDB社のブログでMongoDB社のJeff Needhamさんが執筆し、2021年12月22日に公開された「FHIR Technology is Driving Healthcare's Digital Revolution」の日本語翻訳です。

医療業界のデジタルトランスフォーメーションを支援するテクノロジーはあまりにも広く普及しています。そのため、どのテクノロジーを選択するのかを問題にするのではなく、どのような課題を解決する必要があるのかを考えるべきです。

先進のテクノロジーを備え、セキュアなリアルタイムのデータアナリティクスを利用できる環境が整えば、患者に提供する医療サービスの質を大幅に向上させることができます。そして、相互運用性の標準化が高まるにつれ、医療業界のデジタルトランスフォーメーションも前進しています。

MongoDBは先ごろ、医療情報管理システム学会(HIMSS)および大手医療保険会社のHumanaと共同で、3部構成のポッドキャストシリーズを公開しました。このポッドキャストシリーズでは、FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)、AI、クラウドによって医療がどのように再構築され、発展してきているのかを、時間の流れに沿って説明しています。ここでは、その議論の要点を簡単にまとめました。

  1. データは、医療機関の未来を支える存在である
    医療機関では、ウェアラブルデバイス(スマートウォッチなど)やウェルネスプログラム、コネクテッドケアなどを通じ、ペイシェント(患者)エンゲージメントの向上を実現していますが、いずれの場合でも、最先端のデジタル技術を活用した医療を可能にするのは、データにほかなりません。ここでは、AI、FHIR、クラウドの観点から、データが医療業界のITの進化において果たす役割を考察します。
  2. FHIRは、医療業界テクノロジーに革命をもたらす
    FHIRの実装は必須であるばかりでなく、データアーキテクトに重大な選択を迫る要素でもあるのです。FHIRにおいて適切なアプローチを選択すれば、医療のITに大きなプラスの効果がもたらされます。
  3. オペレーショナルデータレイヤー(ODL)による相互運用性へのアプローチは、不可能を可能にする
    Humanaでのデジタルトランスフォーメーションの取り組みにより、コアのシステムにレガシーのデータベースを使い続けている限り、意味のある成果は期待できないということが明らかになりました。

 

データが医療の未来を支える存在である理由を、AI、FHIR、クラウドの観点から考察

ポットキャストシリーズ 1では、デジタルトランスフォーメーションが医療業界にとって何を意味するのか、詳細に考察します。また、今日の医療業界が直面しているテクノロジー分野での特に大きな課題のいくつかを詳しく取り上げます。

医療業界のデジタルトランスフォーメーションでは、よりパーソナライズされた医療サービスをリアルタイムのデータアナリティクスと組み合わせます。今日では、遠隔医療やデジタル形式の問診票、タッチレスでモバイルの診察受付機能などのような、より最新のサービスの提供を、患者は医療機関に求めるようになっています。最終目的はシンプルで、それは医師にとっても患者にとっても足手まといになるレガシーテクノロジーシステムから脱却し、医療サービスの質を最大限に高めることにほかなりません。

今日の医療業界にとって特に大きな課題をもたらすものにクラウドがあります。クラウドは、可能性とリスクの両者を生み出す存在といえるでしょう。可能性の面について考えてみると、クラウドを利用すれば、アプリケーションの開発や、サービスの実用化、ウェルネスプログラムを通じた患者のサポートなどを短期間で実現できます。一方のリスクはクラウドのインフラストラクチャに内在していますが、これに気付いている医療機関は多くはありません。この結果、旧来のレガシーシステムを利用している組織のアーキテクトや開発者は、他に類のない課題に直面します。単純なシフトレフトやクラウドのためのクラウド導入を避け、単純なモダナイゼーションを脱却し、真のトランスフォーメーションをいかにして実現するのかがここでの課題になります。

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FHIRを導入してデジタルトランスフォーメーションを実現する

ポットキャストシリーズ 2では、なぜFHIRがヘルスケアテクノロジーに変革をもたらす要因となっているのかを、HIMSSおよびMongoDB社が詳細に考察しています。また、レガシーシステムのモダナイゼーションとデジタルトランスフォーメーションの取り組みを活性化するうえで、世界各国の医療機関がこの新しいデータ標準をどのように活用しているのかを詳しく見ていきます。

FHIRの概要

FHIRの規格は、スキーマの定義とAPIの集合で構成され、その内容は業界共通です。この規格は、医療機関と患者とのスムーズな医療データの管理および交換をサポートするものです。FHIRでは、医療機関が提供する記録がRESTベースのAPIで、共通のデータモデルに標準化されます。これにより、医療機関と医療保険機関の間で、データのやり取りが容易になります。

規制圧力の高まりにより、米国では医療機関やテクノロジーベンダーの間でFHIRの導入が進んでおり、その動きが加速しています。CMS(Centers for Medicare and Medicaid Services)では、2020年から、FHIRの遵守に関して段階的な期限を設けており、期限に遅れた組織には罰金を科すとしています。この結果、ここ数年、米国に拠点のあるほとんどの医療機関、医療保険機関、テクノロジーベンダーで、FHIRの導入が我先にと進んでいます。

先進的な医療機関にとって、FHIRは、きわめて重要な意味を持っています。その3つの理由を以下に示します。

  1. FHIRは、CMSからの政府規定の1つに位置付けられている
  2. データ連携には、複雑な課題がある
  3. 2010年中頃以前に構築されたレガシーシステムは、FHIRの規定と相互運用性がない

FHIRを実装するためのアプローチ

大規模な組織の場合、そのデータ要件も膨大です。データアーキテクトはレガシーシステムから膨大な量のデータを抽出していかなくてはなりません。このような組織では、患者の電子カルテ情報、医療保険機関の情報などのすべてがレガシーシステムの中に閉じ込められており、そのレガシーシステムはFHIRと相互運用性がありません。2つ目の課題として、クラウドへの移行があります。チェックボックスを埋めるだけのコンプライアンスを実施している組織は、この課題に対して根本的には対応できていない可能性があります。この場合、APIレイヤーを使用してレガシーシステムにデータを取り込むことになりますが、APIレイヤーはリアルタイムではレガシーシステムと連携しません。この課題を解決する最も効果的なアプローチは、レガシーシステムのプログラムを完全に書き換える方法でもなければ、レガシーシステムをすべて解体したり、置き換えたりする方法でもありません。それは、レガシーシステムを封じ込める方法です。ここでお勧めしたいのが、オペレーショナルデータレイヤー(ODL)の導入です。ODLは、レガシーシステムの情報を公開します。そして情報を、レガシーシステムと同期させたまま、FHIR規格のODLに配置します。患者と医療機関はFHIR APIを通じ、リアルタイムでデータをやり取りできます。電子カルテの情報は、診察が終わってから数ミリ秒でアクセスできるようになり、また、リアルタイムでレガシーシステムと同期され、患者の個人情報は保護されます。

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FHIRと医療の未来 - Humanaの事例

レガシーシステムを刷新する場合、ODLの手法を活用すれば、システムを全面的に入れ替える必要がありません。ここに、Humanaでのモダナイゼーションの取り組みが成功した理由があります。この内容は、このポッドキャストシリーズの最後となる3つ目のエピソードで詳しくご説明します。

レガシーシステムの構築に数十年をかけてきた大規模企業もあるでしょう。そのような組織では、性質の異なるデータベースから類似したデータセットを抽出していることが少なくありません。そうなると、システムを刷新して相互運用性を確保するのは、不可能に思えます。

このポッドキャストシリーズの最後のエピソードでは、HumanaのODLアプローチについてご説明します。Humanaでは、このアプローチで自社のデータベロシティを向上させ、次のステップとして、サービスのパーソナライズと相互運用性の確保を実現しています。ぜひお聴きください。

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