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WeKanとMongoDB Atlasによるレガシーモダナイゼーションで顧客ニーズの進化に対応する #MongoDB #MongoDBAtlas #海外事例 #Modernization

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本ブログは、MongoDB社のブログでMongoDB社のDana Groceさん、Pablo Jimenezさん、Ranjan Mosesさんが執筆し2021年7月21日に公開された「How Legacy Modernization with WeKan and MongoDB Atlas Helps Meet Evolving Consumer Demands」の日本語翻訳です。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、グローバルレベルでデジタル経済が急速に成長、普及しましたが、これに関連した消費者の行動やニーズの変化に追随するうえで最適な立場にある企業は、今後も市場において競争優位性を維持し続けることができるでしょう。

購買行動や購買のパターンにおける最近の変化を把握する目的で関係者を対象にFIS Globalが実施した消費者動向の調査によれば、パンデミックが発生して以降、消費者のオンラインでの購買がそれまでより58%以上増加していると言います。さらに、ローカルや独立系の小規模企業から商品やサービスを購入することが増えたと42%の回答者が述べており、新たなオンラインストリーミングプラットフォームを契約したと、27%の消費者が回答しています。

大規模な組織や一般家庭に浸透している人気ブランドは、市場シェアを維持したいと考えるも、安定した現状から一歩踏み出す覚悟がありません。今日のビジネスにおいて顧客から支持を集めているのは、俊敏に行動し、データの最適化を通じて最もシームレスかつカスタムのエクスペリエンスを顧客に提供している企業です。自社のプロセスをデジタルトランスフォーメーションの流れに適合させることを優先し、リソースを集約してきたビジネスモデルがあります。顧客の行動がデジタル分野に移行している状況に対応する場合、そのようなビジネスモデルがより適切な立場にあるのは当然であると言えます。
しかし、多くの企業がデジタルエクスペリエンスを刷新しようとしたときに、レガシーITシステムの制約に悩まされています。

これまでは頼りにしてきたシステムでありながら、多くの組織において、レガシーのシステムはビジネスの構想やビジネスのプロセスで足かせとなる要素と見なされています。このような転換点を迎え、アプリケーションを統括する企業の責任者は阻害要因を排除するために、アプリケーションのモダナイゼーションに目を向けねばならなくなっています。

これまでは頼りにしてきたシステムでありながら、多くの組織において、レガシーのシステムはビジネスの構想やビジネスのプロセスで足かせとなる要素と見なされています。このような転換点を迎え、アプリケーションを統括する企業の責任者は阻害要因を排除するために、アプリケーションのモダナイゼーションに目を向けねばならなくなっています。
Stefan Van Der Zijden氏、VPアナリスト、ガートナー

このようなシステムを使い続ければ、新たな収益を生み出す機会が失われ、顧客対応で信頼関係を構築するのが難しくなります。しかし、システムを刷新すれば、それに見合った価値を得ることができます。幸いにも、お客様だけでモダナイゼーションに取り組む必要はありません。本ブログ記事では、「レガシーモダナイゼーション」と呼ばれることの多い、このモダナイゼーションプロセスを実施する方法について詳しくご説明します。このモダナイゼーションを実現できれば、デジタルファーストの市場で成功を収めるために必要なスピードや俊敏性、即応性を活用できるようになります。

レガシーモダナイゼーションの概要

レガシーモダナイゼーションとは、旧式となった組織のITスタックを、新たな時代のビジネス目標やワークフローに適応できるようにするためのアップデートプロセスを意味します。イノベーションを推進するうえでビジネスリーダーが必要としているのは、現実の環境で目標の達成を推進するテクノロジーのサポートです。ダウンタイムがゼロまたは最小で処理が高速な、相互に緊密に連携するシステムが必要であり、統一的かつ完全に包括的な視点で、エコシステム全体を把握できるプラットフォームやダッシュボードが不可欠なのです。
一般に、レガシーのITスタックは、これらの基準を満たすことができません。そして、この点においてこそ、レガシーモダナイゼーションが効果を発揮するのです。

レガシーシステムとその主要な4つの弱点を定義する

ビジネスの成長の鈍化を招き、市場の変化に対する組織の適応力を鈍らせるソフトウェアやテクノロジーシステムが、要するに、レガシーシステムです。ソフトウェアの構成が新しいシステムやワークフロー、プロセスと連携できない場合、そのソフトウェアは「レガシー」のソフトウェアと見なされます。
レガシーテクノロジーには、互換性がなく、さまざまなボトルネックが存在します。これらの欠点は通常、メンテナンス、サポート、アップデート、統合、ユーザーエクスペリエンス全般に関係する大きな問題につながります。たとえるなら、2021年の段階でレガシーシステムを使用するのは、2000年製造のエンジンを搭載したプリウスに乗っているのと同じです。

レガシーのソリューションは柔軟性に欠けています。また、使用している言語、データベース、アーキテクチャが時代遅れであり、システムに対応できるベビーブーム世代の高齢なプログラマーの数が限られているため、テクノロジー面で大きな問題を抱えています。
レガシーシステムとモダナイゼーションに関するDeloitteによる調査

レガシーシステムがビジネスに与える影響は多岐にわたりますが、それらは多くの場合、望ましくない影響です。具体的には、次のような影響が挙げられます。

1.俊敏な行動ができず、ニーズを満たせない

一般的に、レガシーシステムには、オフィスのコンピューターからしかアクセスできません。しかし、デジタルファーストの世界においては、モバイルデバイスがデジタルトランスフォーメーションの実現で中心的な役割を果たします。従業員が必要なソフトウェアにいつでもどこからでもアクセスできないと、従業員の生産性や業務処理能力に大幅な制約が生じます。その証拠として、ソフトウェアと従業員のパフォーマンスの関係がこちらのリンクに詳しく説明されています。
たとえば、パリのオルリー空港では、23年間もの間、あるオペレーティングシステム(Windows 3.1)を使い続けていましたが、2015年に、そのオペレーティングシステムで実行していたコンピューターが原因で数時間、飛行機を離陸させられない状況に追い込まれました。利用者が影響を受けたのは言うまでもありません。

2.従業員の生産性と顧客満足度が低下

どのユーザーもデジタルトランスフォーメーションで中心的な役割を果たします。人々の日常生活や日々の購買行動においてインターネットベースのモバイルデバイスはますますなくてはならない存在となっており、このような環境にある人々を顧客として取り込み、つなぎとめるには、インターネットを介したユーザーとのやり取りが必須になります。また、優秀な人材を勧誘したいと望むなら、イノベーションに必要なツールと俊敏性を従業員に提供しなければなりません。レガシーのシステムを抱えていると、新しいアプリが利用できず、最良のカスタマーサービス、サポート、エクスペリエンスを提供することが不可能です。
さらには、従業員のパフォーマンスやカスタマーサービスが標準を下回るようになるので、顧客満足度が低下して収益が減少することや、ビジネスを拡大するチャンスを失うことが避けられません。

3.スケーラビリティに支障が生じ、セキュリティリスクが増大

一般に、レガシーのソフトウェアには、スケジューリングの機能がありません。これは、ビジネスの成長にとって大きな足かせになります。競争の激しい市場では、市場の変化に応じて戦略を変更し、最適化する能力が必要です。そのためには、ITスタックがこのような変更や最適化に対応できなければなりません。世界規模のパンデミックにより、リモートワークが「ニューノーマル」になったことから、企業がこれに対応しなければならなくなった状況は好例と言えます。
IBMの2020年版の『Cost of a Data Breach Report』によれば、データ侵害によって生じる平均のコストは392万米ドルになると言います。レガシーのソフトウェアにはほぼ常時、複数の理由でセキュリティメカニズムに明らかな欠陥があります。具体的には、ベンダーのサポートが終了していることや、アップデートと定期メンテナンスが不足していること、旧式となったシステム内に存在する脆弱性の修復が困難であることが理由として挙げられます。セキュリティ侵害のような問題が生じると、ブランドの信頼は大きく損なわれ、顧客から自身のデータの利用を拒まれることになります。

4.コストが増加

レガシーのソフトウェアで業務を進めなければならない企業では、必要以上に管理やサポート、メンテナンスのコストがかかります。また、新たな従業員、特に開発者を新規に雇用してトレーニングを施すのが困難であるという問題もあります。レガシーの言語(COBOLやNatural)についてトレーニングを受けたプログラマーが不足しているのが原因です。
ほとんどのレガシーシステムはオンプレミスの環境にホストされているため、メンテナンスやアップグレードに関して必要以上の大きな間接コストが発生します。AWSやGoogle Cloud、Microsoft Azureなどのクラウドコンピューティングのプラットフォームを利用すれば、これらのコストは容易に排除できます。
このような明らかな問題が存在するにもかかわらず、あまりにも多くの組織が旧式のITシステムを使い続けているという事実が、パンデミックによって明らかになりました。2020年のAppDynamicsのレポートでは、66%の技術者が次のような内容を述べています。「パンデミックによって、自社のデジタル戦略に存在する弱点が明らかになり、いくつかの取り組みを緊急で完了しなければならなくなっています。これらの取り組みは、これまで複数年をかけて進めていたデジタルトランスフォーメーションプログラムの一部です」

レガシーモダナイゼーションのロードマップ

レガシーモダナイゼーションの取り組みを完了するのは容易ではありません。しかし、この取り組みを始めるにあたって役立つ、実績のあるベストプラクティスとエキスパートガイダンスが存在します。組織内の主要なメンバーに刺激を与えましょう。まずは適切な質問を投げかけるところから始めます。

  1. モダナイゼーションの取り組みにどのリソースを割り当てることができるか
  2. 従業員には、新しいシステムを運用できるスキルがあるか
  3. モダナイゼーションで組織に提供すべき具体的な競争上の優位性として何が考えられるか
  4. レガシーシステムに関して、サポートのスケジュールと利用を終了するためのスケジュールが個別に存在するか
  5. モダナイゼーションは一度に実施すべきか。あるいは段階を分けて実施したほうがよいか、モダナイゼーションによってビジネスにどのような影響があるか

マイクロサービスやクラウドベースのアプリケーションを開発/利用すれば、扱いの困難な技術スタックによって生じる問題を回避できます。ビジネステクノロジーサービスを分散するには、秘訣があります。リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)からクラウドへサービスを移行させる際に、MongoDB Atlasや、MongoDBのホスト型DBaaS製品などの拡張性の高いソリューションを利用するのです。

一体構造のアーキテクチャをマイクロサービスのアーキテクチャに置き換える作業は複雑な作業になりますが、これを行えば、複数のパラメーターで長期間にわたっていくつものメリットが得られます。一体構造のシステムをリファクタリングするには、注意深く戦略を策定する必要があります。このような戦略で最も高い成果を上げているのが、Strangler Patternアプローチ(既存のシステムを段階的に新規のシステムに置き換える手法)によるものです。

既存のレガシーシステムをモダナイズする方法

  • 新たな機能はマイクロサービスとして導入:新たな機能の実装が必要になったときにはいずれの場合もその機能をマイクロサービスとして組み込み、一体構造の既存のアーキテクチャには機能を追加しないようにします。このように対応すれば、レガシーのスタックが拡張するのを防げるだけでなく、マイクロサービスエコシステムのメリットをステークホルダーに気付かせることもできます。
  • 一体構造のアーキテクチャを解体する:組織のエコシステムにマイクロサービスを導入するのが完了したら、一体型の構造を解体して撤去する必要があります。

マイクロサービスベースの戦略が有用であることを、FedExやCitiBankなどの企業が実際のサービスの導入で証明しています。FedExのCIO、Rob Carter氏は次のように述べています。「マイクロサービスの構築に着手しました。マイクロサービスは、シンプルで柔軟性が高く、手元にある機能をすぐに市場に投入できます」
また、CitiBankも、デジタルトランスフォーメーションを加速するために、一体構造のシステムをマイクロサービスベースのアーキテクチャに移行させる方法を選択しています。

WeKanとMongoDB Atlasを活用する

持続的で拡張性のあるレガシーのモダナイゼーションを成功させるためには、プロセス自体を実行するノウハウに加え、組織固有のニーズとビジネス目標を把握しそれらに対応できる適切なツールが必要です。MongoDBとそのツールスイートのようなデータベースとプラットフォームを利用すれば、一体構造のシステムをマイクロサービスに置き換える際のさまざまな課題を解決できます。

MongoDB Atlasは、モダナイゼーションに最適な、業界をリードする汎用データベースです。ドキュメントベースの分散型データベースであるMongoDBは、開発のサイクルに要する時間を短縮すると共に、生産性を維持するのに必要な柔軟性の高いスキーマとツールで開発者を支援します。従来のRDBMSから飛躍的な進歩を遂げているMongoDB Atlasのスマートなインフラストラクチャを活用すれば、TCOを削減し、セキュリティリスクを抑え、ACIDを遵守しながら、容易なスケーリングを実現でき、ビジネスに不可欠な信頼性を維持できます。

レガシーのシステムを運用していて、テクノロジー投資の効果を高めようとしている企業にとって最適なモダナイゼーションプロセスを絞り込むことができるよう、MongoDBを補完するWeKanのモダナイゼーションプロセスは、次の5つのフェーズから構成されています。

  1. 診断フェーズ:この最初のステップでは、現状や最も深刻な課題を把握し、テクノロジーのモダナイゼーションを通じて解決できる、効率上の主要な問題を特定します。
  2. 処方フェーズ:現状を詳しく把握できたところで、ソリューションアーキテクチャの案を提示します。その案では、最も重要性の高い課題の解決を図り、所有コスト(TCO)の削減とテクノロジー投資に関するROIの向上を念頭に置きながら、テクノロジーエコシステム全体のパフォーマンスを強化します。
  3. 検証フェーズ:考えられるソリューションを集めたら、テクノロジーの実行可能性と期待される効果をPOCにより検証し、得られた結果を基に、ビジネスのニーズに最も適したオプションを絞り込みます。
  4. 要件定義フェーズ:目的のソリューションを入手したら、テクノロジーエコシステム全体でシームレスな統合を実現できるよう、提案するソリューションの技術要件と仕様を定義します。
  5. 実行/実装フェーズ:適切なソリューションアーキテクチャ、技術要件、モダナイゼーションプランを基に、MongoDBのモダナイゼーションコンサルタントがお客様のステークホルダーと連携しながら、モダナイゼーションソリューションの開発、テスト、展開、実装を行います。

世界経済フォーラムによれば、デジタルトランスフォーメーションによって、2025年までに100兆ドルを超える価値が生み出される可能性があると言います。もしもレガシーモダナイゼーションの手法が存在しなければ、デジタルエコノミーがもたらす新たな収益源から利益を得るチャンスを失う企業が出てくるでしょう。絶えずインターネットにつながり、インターネットと不可分になった市場で競争優位性を確保、維持するには、モダナイゼーションの多くの利点を活用することが欠かせません。
こちらのRideKleenの事例では、組織中心のデジタルトランスフォーメーションにおいてWeKanとMongoDB Atlasが有効である点を詳しくご説明しています。ご参照ください。

運用をAWSに移行させてから、WeKanは、中核のデータプラットフォームとしてMongoDB Atlas、Atlas Data Lake、MongoDB Realmを選択しました。Atlas Data Lakeは、MongoDBとAWS S3全体でネイティブにデータの照会ができるフェデレーションクエリ機能を提供します。一方で、MongoDB Realmは、エッジ、クラウド間の重要な同期の処理を簡素化するほか、トリガーや関数、GraphQLなどのバックエンドのサービスも提供して開発の期間を短縮します。
RideKleenの事例

OTTOは、ドイツ第2位のグロバールeコマース事業者であるほか、eコマース、ファッション、ライフスタイル関係のサイトの運営ではドイツ第1位の地位にあり、業界トップクラスを誇る、MongoDBのモダナイゼーションサービスを活用しています。その事例をこちらの動画でご覧ください。

MongoDB社のモダナイゼーションプログラムの詳細はこちらをご覧ください。
WeKanの詳細はこちらをご覧ください。

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