荒井 創

クリエーションラインの開発チームで大活躍中の荒井創さんにインタビューを行いました。エンジニアのキャリアの一つの方向性としてぜひ知っていただきたく、楽しんでご覧いただければ嬉しいです。

曝け出す。だから学べる。「ペアプロ」の魅力

まず、これまでのキャリアについて簡単に教えてください。

Engineering Team 荒井創です。これまでのキャリア…クリエーションライン(以下「CL」)にジョインするまでいろんな経験をしてきました。

まず、大学卒業後、割と大きいSIerの会社で働き始めました。ウォーターフォールの開発環境で、設計や要件定義はシニア・ベテランの仕事、私含め新人はほぼひたすら仕様書に基づきコーディングする…という日々でした。私は通信業界の顧客のプロジェクトにおり、四年ほどJavaやJavascriptの実装をしていましたね。

その後、家業の手伝いで光学系シミュレーションのツールをPythonで構築したり(当時Basicのシステムを使っていました)、友人のつてでいくつかの会社で開発を手伝ったりした後、フリーランスとして独立しSES会社を通じていろんな会社の開発をやるようになりました。

様々な環境を経験でき、大いに学びになったのですが…多くの場合、業務委託やフリーランス等といったビジネスパートナー(以下「BP」)はあくまでも技術を提供する人という枠組みで、社員の方とはしっかり区別されている印象があったり、派遣された先の企業によっては「上司が絶対」な空気があったりと、当時からなんとなく自分にとって働きやすい会社ってなんだろう・・・と考えていたように思います。

CLとの出会いも、初めはフリーランスとして、とあるプロジェクトに参画したことがきっかけです。その後、ご縁やお誘いもあり、今はCLの正社員として働いています。

CLにジョインしてからはどのようなプロジェクトを経験されたのですか?

フリーランスとして参画した当初は、とある物流業界企業の顧客に対する「機械学習モデルのチューニング」プロジェクトにジョインしていました。具体的には、地図上のある地点からある地点までの到着時間と最短距離を予測するモデルについて、PythonでLightGBMという機械学習フレームワークを用いて算出する…というプロジェクトです。

皆さんも地図アプリで同様の検索をされたことがあると思いますが、こうしたサービスの利用にはかなりの費用がかかったり、希望する条件を全て反映させられなかったりします(大手事業社の提供するAPIを使うコストを削減することを目的)。こうした背景もあり、顧客独自の機械学習レイヤを実装し精度を上げていく…というものでした。

ジョインして1ヶ月間は、矢田さん(リンク参照)にプロジェクトの全体観をインプットしてもらい、一緒にペアプロしていました。これは個人的には結構印象的な経験でした。割と「BPはこの機能のここだけやって」と切り分けられるイメージだった中、CLでは社員とBPの垣根がほとんどなく、一丸となって風通しの良い雰囲気の中で仕事をさせていただいたからです。

ペアプロは私にとっては初めての経験だったのですが、矢田さんがすごく丁寧ですぐ馴染めました。ペアプロは自分の技術力全てが明らかになり、どれだけできるか、どこが見えないかが曝け出される手法です。しかし、一緒にやってて楽しかったですし苦にならなかったです。

その後もいろんなプロジェクトでペアプロ・モブプロを経験してきましたが、皆さん優しくてコミュニケーション力が高く・フィードバック上手なので、多くの学びになりました。また、拘束される印象があったのですが、1時間集中して15分休憩して…というサイクルですすめられたことも個人的にはとてもよかったですね。

自由に発言できる関係性、挑戦に対するチームの後押し

その後どのようなプロジェクトにジョインされたのです

複数のリーダーからありがたいことに次の機会についてご相談を受けました。当時CLは、開発に役立つ海外の様々な技術を日本に”輸入”し、代理店として製品を販売したり、導入を支援したりする事業を立ち上げていました。うち、「Neo4j」や「MongoDB」といった製品をマーケットに浸透させるべく、チームを強化していたんです。私はそのうち、Neo4jのチームにジョインすることになりました。

Neo4jは使われたことのある技術だったのですか。

いいえ、初めてで、これも学びながらでした。リーダー(技術力が高いハイパーエンジニアです)、メンバー(今産休に入られていますが、若くて優秀なエンジニアの方です)の3人チームで、初めはチュートリアルをメンバーと競争しながらすすめ、それをリーダーが見守って…という感じでした。

3-4ヶ月である程度の習得ができ、その後1年ほどでさらに技術を高めつつ、製品に対する質問に回答する…ということをやっていたと思います。本当に自由な環境があって、問い合わせ対応に加えて「何をやっても自由だよ!この商品が売れるようになるためにはどうしたら良いかな?チームで頭を絞って考えて、やってみてね!」とチームに任せられていた環境があったのが印象に残っています。初心者の私も自由に発言ができ、やりたいことができる裁量があったので、結果的に非常に楽しく仕事ができました。

特に…個人的には、顧客対応に加え、ウェビナーの講師にチャレンジできたことは良い経験になりました。グラフデータベースであるNeo4jはどちらかというとニッチな技術ですが、一年以上こうした技術に深く注力ができたことがまず貴重でした。そして、もともと人前で話すことが得意ではない私でしたが、皆さんの後押しもあり、40分を超えるウェビナーの講師という形でアウトプットするチャレンジもさせていただきました。

CLでは折に触れて社内外でプレゼン等をする機会を与えてくれるので、話すのが苦手であっても、必ず人前で話すことができるようになります。この成功体験は私にとって大きな自信につながりました。

ただ、元々が開発者だったこともあり…開発のPJに戻りたい気持ちもありました。

開発には戻れたのですか?

はい。リーダーのつてで、とある通信系の顧客のPJに異動となりました。次の環境で任せていただいたのはIaC(Infrastructure as Code…インフラのコード化)という領域です。Bicepという、Azure リソースをデプロイするドメイン固有言語 (DSL) があるのですが、その技術を習得しました。

Neo4jの時もそうでしたが、Bicepも未経験の中のPJジョインですが。いままで経験したことのない新しいことに挑戦させていただくチャンスを次々にもらえるのはCLの良いところだと思います。

話を戻して…初めはIaCどころか、パブリッククラウドやAzureについてもあまり知識がなく、GCPを少し触ったことがある程度でした。なので、「へいいきか」や「ぷらいべーとえんどぽいんと」など、クラウドインフラでよく使われる言葉すら当初ピンと来なかったことを覚えています。

チームからのサポートやおすすめもあり、最初に取り組んだのは公式チュートリアルでの学習です。合わせて、私はPJに途中からジョインしたので、これまでのアウトプットやアーキテクチャをみるようにしていました。わからない部分は同じチームのエキスパートであるBPさんが解説してくださったこともあって、少しずつ全体像が見えてきました。そして、最終的にはインフラに関する知識提供をチームにすることができるようになりました。実務と学習を継続することで、技術的にPJに貢献できるようになれたのも、私にとっての自信に繋がっています。

現在はどのようなプロジェクトに参画されているのですか。

引き続き、通信系の顧客のPJに参画し続けています。1年程度でIaC化は完了が見えてきたのですが、もっとPJに価値提供できるようになりたいと思い、フロントエンド側を担当している別チームの役に立てるよう技術を磨いています。

モダンなJSフレームワークであるNext.jsのアプリを構築しているのですが、やはり私は未経験で技術の習得からのスタートです。ただ、現場の皆さんとペアプロ・モブプロしたり、もちろん独学で学んだこともあって、最近は割とコードをかけるようになってきました。

毎日のチーム朝礼、お客様のプロダクトオーナーとスクラムマスターを交えた毎週火曜・水曜のMTG(火曜はタスクとプライベートの振り返り/水曜はBacklogを見ながら”次のスプリントで何するか”会議)と割とチーム内のコミュニケーションが多く、PJの状況がよく見えます。フロント側を学んで役に立ちたいと思うようになったのは、こうしたコミュニケーションの機会を通じてPJ全体が見えるようになってきたからなのかな、と思います。

PJごとに異なる技術に触れられる・習得できる

元々フリーランスとして参画されていましたよね。
いつから正社員として働かれているのですか。

先にお話しした通信系の顧客PJにジョインしたタイミングです。正しくは2023年の12月だったと思います。リーダーから「BPではなく正社員としてCLにジョインしてみないか」と声をかけられて、待遇や生き方等いろいろ考えたのですが、最終的にはCLの一員となりたいという思いが勝ちました。

正社員として働く上で、CEOの安田さんともお話したのですが、普段なかなか人には話せないような私の内面的な考え方・キャリア感などもシェアすることができました。人事の皆さんも、待遇や働き方について相談の時間をたくさん設けてくださって、安心して正社員として働くことを決められました。

…フリーランスとしていろいろな環境を経験できたのはとてもよかったのですが、CLで正社員として頑張ろうと思えたのは①組織風土に魅力を感じたことと、②自分が技術的にも役割的にも成長を実感できたことの2つが大きかったです。

①組織風土について

まず組織風土、CLで働いている方々は優しくオープンで飾らない性格の方が多いと感じてます。PJ・仕事におけるオープンなコミュニケーションはもちろんですが、それ以外の場面でも本当に皆がHRT+Joyという企業理念を大事にしていて、かつCLは仕事やコミュニケーションを楽しんでいる人が多いと感じています。

例えばCLでは雑談を奨励しており、年齢性別を問わず仕事の休憩時などには気軽にプライベートのこと(旅行のことや最近行った美味しいお店など)をワイワイ話します。仕事時間にこんな時間を設けることは一見無駄なように思えるかもしれないが、意外とこうした関係性作りが仕事を進めやすくしてくれているように思います。

もう一つ、CLで働く日本全国のエンジニアがリアルで一堂に会する「Engineering All Hands」というイベントでは、CLで働いている人たちが集まって三浦海岸のホテルに宿泊し、楽しい時間を過ごすことができました。世界の最先端の現場を切り開いてきた技術顧問の川口さんの話も印象的でしたし、多くのフレッシュなメンバーと寝食を共にすることができ、研究者のメンバーと研究合宿に来たような非常に新鮮な感覚がありました。

ここでは、「OST(Open Space Technology)」という手法で、働き方や技術について様々話し合ったのですが、上下関係を意識することなく、フラットな関係の中で皆が言いたいことを自由に語っていることも印象的でした。社員が直接社長に意見する…なんて場面、私のこれまでの常識ではあり得ませんでしたが、それが普通な環境であるCLに驚き、またいいな、と感じました。

CEOの安田さんをはじめ、今でもガッツリ技術者なCTOのやらいさん、技術レベルの高さはもちろん、気さくで雑談に付き合ってくださるたくさんのCLメンバー…なんでも話せる居心地の良さはCLのとても良いところの一つです。

②成長環境について

アジャイルを推進する会社ということもあって、技術を効率的に習得する様々な手法を積極的に取り入れており、そこがまた良いところだな、と思います。例えば、ペアプロ・モブプロは、当初はだいぶ身構えましたが、実践していくうちに参加者のスキルを効率的に高めることができ、さらにコミュニケーションの質まで高まるとても有益な手法だなと思うようになりました。

また、私自身がまさにそうであったように、CLでは今の自分の技術でできることをこなす経験よりも、新たな技術(やったことがないこと、まだ知り得ないこと)をつかって学ぶ経験もさせてもらえます。もちろん、努力は必要だと思うのですが、先端の領域に触れることができ、プロジェクトを経験するたびにできることが増えていく、成長実感を得やすい環境であると感じます。

個人的には、新たな技術に触れ習得するという挑戦をこれからも続けていきたいと思っています。同じことをずっとやっていく良さはもちろんあると思うのですが、やはり刺激と技術習得の必要性が求められている環境の方が、私にはあっているなと思いました。その点で、プロジェクトによって技術スタックも領域も全然異なるプロジェクトが複数あるのはCLのいいところですね。

Q7.

最後に、この記事をご覧の方に一言お願いします。

自分にとってのいい会社、最高の働き方の定義は人それぞれかなと思います。
私はエンジニアとして、もちろん技術的な成長ができることは大事なのですが、個人的にはそれ以上に、「人」が重要だと思っています。

気さくで飾らず、HRTを体現するようなお人柄の方や、技術を身につけて難しい課題を乗り越えJoyを感じながら働いている方がCLにはたくさんいます。
このあたり、なかなか面接とかだけでは見えないと思うのですが…ぜひメンバーのみんなと一緒に話したり、
イベントに出ていただいたりすれば雰囲気を感じ取ってもらえると思います。

いくつかのポジションで積極採用中だと人事からきいてます、関心あればぜひ、エントリーしてみてください!

私自身も、HRT+Joyの理念に乗っ取り、謙虚・尊敬・信頼を忘れず、スキルアップしつつ楽しく開発ができるよう日々の努力を続けていきたいです。
そして結果としてより大きな価値をお客様に届けられるようになりたいと思っています。

そして、もし私と同じような考えをお持ちの方がいれば、きっとCLの環境はフィットすると思います。
いろんなポジションで積極的に採用しているらしいので、ぜひエントリーしてみてください!