Behind the Scene of 劇団CL Vol.2 #RSGT2024

全世界のみなさま、こんにちはこんばんは、やたです。約2年ぶりに劇団クリエーションラインについてブログを書き起こしてみようという思いになりました!興味がある方もそうでない方もよかったら最後まで読んでみてください!

はじめに

劇団クリエーションラインとは、かねてからRegional Scrum Gathering TokyoやDev Ops Days TokyoなどでスポンサーLTからイベントを盛り上げてきた「システム開発系茶番劇集団」のことを指します。

最初はほんの数人から始まった茶番劇作りですが、気付いたらたくさんの人が関わるようになり、ありがたいことにこのイベントでの風物詩のようになってきて、これこそまさに、無関心品質が魅力的品質に化けた最たる例なので1はないかと、ドヤりたい思いでいっぱいです。

そして、最近は「脚本とかどうやって作ってるの?」みたいな質問をいただくこともあります。なので、今回は先日行われたRSGT2024の脚本の実物を見せながら、ちゃんとタイトル通り劇団の裏側を紹介していきたいと思います。

そもそもなんで寸劇をやっているのか?

そもそもなんでこんなことやってるのかというと、正直、自分もよくわかっていません!自分は2代目の団長なので詳しい経緯は知らないのです。ただ、前団長からこの劇団CLを引き継いだときに以下の話をいただきました。

  • カンファレンスのスポンサーLTで、宣伝とか会社紹介をしてもあまり響かないと思っている
  • コミュニティへの恩返しも込めて、劇団CLがカンファレンスの盛り上げ役になって、結果的にちょっと会社の知名度が上がればいいなという気持ち
  • 安田さんも爆笑か駄々滑りを起こして、爪痕が残せれば何でもいいよって言ってくれている

じぶんなりにもう少し言語化してみたときにこういう結論に至りました。

  • スポンサーLTで寸劇をやっているなんてかなりユニークでインパクトがあるし、その寸劇がカンファレンスに繋がるものだったら、運営側も嬉しいし、見ている人も楽しもう!というスイッチが入ってみんなが得をする
  • 寸劇にせよなんにせよ何かを真剣に作っていれば、その作り手側の個性が滲み出てくるのでそこから会社の雰囲気を知ってもらう

また、自分独自の思いとして、単純に寸劇もモノづくりの一環で自分たちでゼロから作って反響をもらえるのが楽しいということもあります。基本的に自分が脚本のたたき台を作るのですが、それにみんなであーでもない、こーでもないと議論して作り込んで、現地に集まって実際に演じてみたらあれ?こうじゃない?とか新しいアイデアが生まれてきて、最終的に本番後にdiscordを見直すとたくさん反響があるとやっぱり嬉しいです。そして、回数を重ねるごとにファンが増えてきたというか、声をかけられることがちょっとずつ増えていってるんですよね。これってJoyじゃない?って勝手に思っています。ちなみに顔を青く塗っていますが身体を張ってやっているという認識はないです(笑)

どうやって作っているのか?

全体の流れを大まかに記述すると以下のような感じになっています。

  • イベント情報やその年の出来事に関する情報を集める
  • オチだったり、インパクトのあるギャグや設定を考える
  • 今回の寸劇の狙いや寸劇を通して何を伝えたいかをちゃんと言語化する
  • 簡単な4コマストーリーやイメージを書き出してみる
  • 劇団員のフィードバックをもらって大まかな流れを確定させる
  • 脚本を書き出してみる
  • わかりにくいところの改善アイデアを考える
  • 前日あたりに、現地でひたすら練習する

各ステップで劇団員からフィードバックをもらったりして、出戻りしたり次のステップに進んでいたりします。ちょっとtestingっぽいですよね!

ちゃんと情熱をもって作っているということに対して、よりイメージを持ってもらうために実際に使っていた脚本を公開したいと思います。本邦初公開です。こちらからどうぞ!

本当は全てのプロセスについて語りたいところなのですが、細かい作業について語り出すと一万文字以上の超大作になる予感しかないので、最も重要なゼロイチの部分をどう作っているかの紹介だけしたいと思います。

寸劇のゼロイチは魅力的品質から作る

大事なことは「面白い何か」から考えるということです。作り始める時の一番最初にこの寸劇が面白いかどうかをちゃんと検証できることがもっとも重要です。

よくありがちなのが、少し要件定義みたいな形で、このイベントにはどういう人がきていて、その人たちはどういう人生を生きていて(以下略)、あとは最近のご時世的にこういう話題はNGで、みたいなところから考え始めたりしちゃいがちです。それもそれで重要な部分ではあるのですが、それだと本当に面白いギャグや最後のオチまで辿り着かないことが多いように感じています。

というのも、スポンサーLTにおける寸劇を狩野モデルにあてはめて考えると、下記のような分類になると考えています。※個人の主観が入っているので厳密な定義に沿っていない可能性があります

当たり前品質

  • この寸劇を通して誰かを傷つけていないか
  • 時間がオーバーしすぎないか
  • ストーリー性がちゃんとあるか
  • キャストがセリフを覚えているか

一元的品質

  • 話のストーリーに共感できるか
  • 掛け合いの間がスムーズか
  • セリフの節回しの良し悪し
    • 聞き手にとってわかりやすい
    • 喋り手にとって喋りやすいか

魅力的品質

  • イベントの何かにつながる話かどうか
  • みた人が笑えるか
  • オチでちゃんと落とせるか

まず「魅力的品質」を考えてから、それをストーリーにする時に「当たり前品質」を満たすものを考えていく。そこからチームで一元的品質をブラッシュアップしていく。このような流れで作っていくと、本当に面白い寸劇を維持したまま、良い寸劇が出来上がっていくようなことが多いです。なんだかソフトウェア開発と変わらないですよね!!

2024年の寸劇で例を出すと、

「狩野先生がクロージングキーノートなんだし、新製品発表会2として去年のRSGT2023でも出てきた青い顔のサムライが出てきたら笑わずにはいられないよね」

というところから始まっています。

2022年のスクフェス新潟3だと、

「スクフェス新潟はお酒もご飯も美味しいからこそ、testingじゃなくてtastingしてたら面白いよね」

みたいなところから始まっていたりします。

余談

余談ですが、面白いなにかを作って検証するために今回はまったく違う設定を3種類用意しました。

以下がボツ案です。

  • 界隈の名だたる個性強い人が4人集まってデザインパターンのギャングオブフォーならぬギャグオブフォーとして、大パニックを起こす
  • 日本昔話風な流れで、新しい仲間を増やすといいことがある!みたいなストーリー

1つ目の不採用理由は、インパクトはものすごく大きいのですが少し内輪ネタ感が強めになりそうかもなあ、ということでボツになったりしました。2つ目は、ナレーションが得意ないづさんに昔話風の語り口調をやってもらうとなんか面白いかも?と思ってサクッとストーリーを書いてみて意外と面白くなさそうだからボツにするなんてこともあったりします。

正直、この部分がめちゃくちゃ大変で、一人で何時間も机の上に座って考えても全く出ない時もありますし、劇団員でブレストしたら一瞬でできあがる、なんてこともあったりしてなかなか安定性に欠けることが辛い点です。ぼくはなぜかRSGTでプロポーザルが通ったことがないのに、年末年始は生みの苦しみを味わっています。このサイクルからなんとか脱出したい!

2024年の寸劇の狙いと効果

脚本にもありますが、アイデア段階でかなり面白いものが出来上がった自信があったので、以下のような目標設定をしました。

  • イベントの一発目ということで、RSGTというイベントが会社の枠を超えて普通じゃありえないようなコラボレーションができる場所であることを認識してもらい、初めて参加した人がこのイベントは他とちょっと違うぞ。と感じてもらう
  • 「クリエーションラインという会社がスポンサーLTで変なことをやっている」から「クリエーションラインという会社がスポンサーLTの概念を変えた」という後世に残るインパクトを残したい

ちょっと2つ目の目標は、ハードルを上げすぎたかもしれませんが、1つ目はしっかり達成できていると思います。下は実際のdiscordの投稿です。

このあたりの投稿をみてると、まんまと僕の手のひらで踊らされてるなあ、とニヤニヤしています。

新しく試してみた小さな実験

実は会社の宣伝ってほとんどしたことがなかったんですよ!スポンサーLTで何をやっているんだ!ってツッコミはスルーしますが、今回は少しだけそこを意識しています。

会社の宣伝の必要性を感じだしたのは、KAGの中島さんのFun!Done!Learn!の歌の影響です。初めてあの歌を聴いた時にちゃんと会社の宣伝をしておくのって結構重要だなあ、と思っていました。

実際に劇中でも最初の方に上の画像のような会社のロゴスライドを出したり、セリフとしてブースへどうぞ!みたいなセリフを追加していて、その甲斐あってなのか寸劇がきっかけで、会社に興味をもってくださってブースで会社の説明をさせてもらえるという導線ができるという実績が解除されました。続けていると、魅力になるしそこから新しい何かに繋がるんだなあと実感しました。

現状の課題と今後の展望

課題はゼロイチにかける労力とスケール問題

正直、楽しいですけどしんどいです!普通のプレゼンは、経験や知見を言語化していく作業がメインになると思いますが、寸劇の場合は面白いネタをゼロから作っていくので文字通りゼロイチの作業であり、思いつかない時は本当に思いつかないです!!そして、後釜を育てにくいという問題があります。自分自身も演劇経験はないのですが、普通のIT企業に寸劇の脚本を書いてみたい!って思う人なんてほとんどいないですよね。

解決策①使いまわせる脚本を作って演技の品質を向上させる

例えば、会社紹介に近いような形の脚本にすれば毎回のイベントごとでゼロから考えなくてもよくなりますし、その中で演技力や完成度の部分で前回からのアップデートを行う方式に変えていければ脚本の負担がかなり減ると思います。イベントでの寸劇がある程度の市民権を得れたからこそ、ここからはこれまで培った良い部分を維持しつつ、いかに作り手側の負担を減らしていけるかが課題になってくるのではないかと考えています。現実の演劇でも、一回ポッキリの公演なんてなかなかないですしね。

解決策②ネタのアイデアを募集してみる

どこかのテレビで見たような気がするんですが、鬼越トマホークというコンビは毒舌芸のネタをオンラインサロンで募集していたりするようです。コミュニティで募集してみたり、connpassでグループを立ち上げるのもいいかもしれないなあと思ったりしています。

さいごに

まず、開発チームメンバーとして友情出演していただいたみなさん、ありがとうございます。speaker partyを楽しんでいる中で、ほとんど強引に連れだして練習に付き合っていただきありがとうございました!

そして、クリエーションラインという会社は、寸劇の会社だけではなく、ユーザーに価値を届けられるように開発を頑張っている会社でもあります。もっと仲間を増やしていきたいので、興味がある方はカジュアル面談をお待ちしています!

  1. 狩野先生のクロージングキーノートで、品質のライフサイクルで無関心品質が魅力的品質に変わることもあるというお話が出ました ↩︎
  2. アジャイル界隈では、狩野モデルが新製品開発やMVPの文脈で使われることが多いため ↩︎
  3. 「testing」をテーマに掲げているスクフェス新潟で、2022年にクリエーションラインがプラチナスポンサーになっていました ↩︎

Author

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」をモットーとして、情報社会の現世に紛れるアジャイルザムライ。実際は、社内外でアジャイル開発を推進するAgile CoEチームに所属するエンジニア。データ分析や機械学習モデルの構築からバックエンドまでを主戦場としています。

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