私たちが Co-Creation Sherpa「伴走」にこだわる理由。

▪️やることは全部やった。それでも何も変わらない
とあるプロジェクトでの一コマです。
AIツールは導入した。PoC(概念実証)も作った。デモもできるし、説明用の資料も完璧に揃っている。
やるべきことは、ちゃんとやりました。正直、「やり尽くした」と思っていました。
それでも、プロジェクトは前に進まないのです。
現場の空気は重いまま。誰からも「何かが変わった」という言葉は出てこない。
この状況を、僕は一度や二度ではなく、何度も見てきました。
最初は「技術の問題」だと思っていました。
- 精度が足りないのか?
- 設計が甘いのか?
- 説明が下手なのか?
でも、あるときようやく気づいたのです。
問題はAIでもツールでも、技術力でもありませんでした。アウトプットの品質ですらなかった。
「アウトカム(成果)」と「期待値」を、確認し続けていなかったこと。 これが真実でした。
▪️変化するアウトカム:顧客が本当に求めているもの
「アウトカム」という言葉を使うと、どうしても「意思決定」や「数値目標の達成」という強い言葉に寄りがちです。もちろん、それも重要です。
しかし、現場に深く入り込むほど、顧客が本当に求めているのはもっと「手前」にあると感じます。
- 先が少し見えること
- 何が分かっていて、何が不明なのか整理されること
- 不安の正体が「言葉」になること
「決める前に、まず落ち着きたい」
そんな心理的な状態を求めていることも、実はとても多いのです。
一方で、プロジェクトが進むにつれて「アウトプット」だけは増えていきます。
検証結果、比較資料、改善案……。
しかし、それらが「どんな不安を減らし、何を安心させるのか」という期待値と結びついていないと、資料が増えるほど期待値は置き去りになってしまいます。
▪️顧客が欲しいのは「変わっている」という実感
顧客との会話の中で、印象に残っている言葉があります。
「方向性は少し見えました」
「考え方が整理されました」
「今までより、話しやすくなりました」
これらは数値では測れません。KPIにも直接は出てこない。
でも、確実に価値が生まれている瞬間です。
ここで、僕のアウトカムの捉え方が変わりました。
アウトカムとは「工数削減」や「決断」だけではありません。
アウトカム = 「顧客の状態が、少しでも良くなっていること」
そして重要なのは、その「良くなった状態」の定義はプロジェクトの途中で変わっていくという事実です。
最初は「不安を減らしたい」だった期待値が、途中から「具体的な判断材料が欲しい」に変わることもある。だからこそ、最初に決めたアウトカムをずっと「正解」だと思い込むこと自体が、ズレの始まりなのです。
▪️だからこそ「Co-Creation Sherpa」が必要なんだ
アウトカムも期待値も、最初に合意して終わりのものではありません。
- 状況は変わる
- 見える景色も変わる
- 顧客の不安や関心も変わる
だからこそ、「今、何をアウトカムと呼べきか?」「今、顧客は何を期待しているのか?」を、定期的に確認し、言葉にし続ける存在が必要です。
これをやらない限り、どれだけ「正しいアウトプット」を出しても、本当の意味での「アウトカム」は生まれません。
「Co-Creation Sherpa(伴走者)」は、単にAIを導入する人ではありません。アウトプットを淡々と作る人でもありません。
- 一緒に考え、整理し、立ち止まる
- 期待値とアウトカムを、何度も言葉にし直す
- 「今、何を大事にするプロジェクトなのか?」を問い続ける
これを個人のスキルに頼るのではなく、チームとして組織的に取り組もうとしているのが、
クリエーションラインの「Co-Creation Sherpa」です。
▪️おわりに
アウトプットは出せている。それでもアウトカムが生まれていない。
それは失敗ではありません。
まだ、「期待値とアウトカムを問い続けるフェーズ」に入っていないだけです。
そこに伴走し続け、答えが変わることを前提に問い続ける。
だから、クリエーションラインは Co-Creation Sherpa を掲げています。
答えのない道かもしれません。途中で景色が変わるかもしれません。
それでも、私たちはその変化を恐れず、常に「今、何が最善か」を対話を通じて見つけ出していきます。
一人で抱え込まず、一緒に、より良い未来へ歩みを進めていきましょう。
私たちが、あなたの「Co-Creation Sherpa(伴走者)」として共に歩みます!
