20年周年への想い

2025年の総括と、愛すべきCLに関わるすべての方々へ贈る「CLまつり」への招待状
この投稿は クリエーションライン アドベントカレンダー2025|12/25 の記事です。
皆さま、こんにちは。クリエーションラインの安田です。
2025年も、いよいよ終わろうとしています。
毎年この時期になると、決まって不思議な感覚になります。
一年が一瞬で過ぎ去ったようにも感じるし、同時に、何年分もの挑戦と葛藤が、この一年に凝縮されていたようにも思えたりもします。
今日は、クリエーションラインという少し風変わりで、でも心から誇りに思っている会社の代表として、そして、一人の人間・安田忠弘として、今の等身大の想いを、正直な言葉で書き残したいと思います。
1. 2025年の「成果」と、その奥にあった問い
2025年のクリエーションラインを、外から見れば、とても順調に見えたかもしれません。
AI駆動開発(AIDD)の取り組みは、日産自動車様をはじめとした日本を代表する企業の皆さまと、より深い実践フェーズへと進みました。
生成AIという誰も正解を持たない領域に対しては、「AI駆動開発コンソーシアム」を通じて、企業や個人が立場を越えて学び合う場を育て続けています。
スタートアップ支援の枠組み「Co-Creation Startup(COSTA)」では、技術だけでなく“志”に共鳴する仲間との出会いが増えました。
「働きがいのある会社」としての評価も、単なる称号ではなく、日々の実践として社内に根付き始めています。
これらはすべて、社員一人ひとりが現場で悩み、考え、対話し、行動し続けてきた結果です。
代表として、これ以上ないほど誇らしく、ありがたい一年でした。
一方で、私の中には常に消えない問いがありました。
「僕たちは、本当に誰かを幸せにできているのだろうか?」
「技術の進化に、僕たちはちゃんと向き合えているだろうか?」
IT業界は、効率やスピード、成果指標が前面に出やすい世界です。
けれど2025年を通じて、私は改めて確信しました。
私たちの役割は、もともとある正解を渡すことではありません。
顧客と同じ景色を見て、同じところで立ち止まり、同じ悩みを抱えながら、
一つの山を、一歩ずつ一緒に登っていくことだと思っています。
そのときに大切になるのが、
謙虚さ(Humility)を持って学び、
互いを尊重(Respect)し、
信頼(Trust)を積み重ねていくこと。
そして、そのプロセスそのものを前向きに楽しめているか。そこに「Joy(喜び)」があるかどうか。
技術は、そのためにあるものです。
主役ではなく、あくまで道具であり、手段です。
技術そのものが、未来を前に進めるわけではありません。
そこに関わる人の想いと覚悟、そして HRT を土台に「一緒にやり切ろう」と決められる関係性があって、はじめて前に進む。
遠回りもあるし、正直、格好いいとは言えないことも多い。
それでも、人と人が向き合い、共に汗をかき、その先に小さくても確かな Joy が生まれる。
この、人間臭くて、決してスマートではない姿勢こそが、
私たちが Co-creation Sherpa として大切にしてきた精神であり、
クリエーションラインの原点であり、今も変わらない軸なのだと思っています。
2. 20周年を見据えて、年表と向き合って気づいたこと
2026年、クリエーションラインは創業20周年を迎えます。
その節目を見据え、私たちはこれまでの歩みを年表として整理しました。
(この年表はCLまつりにて公開する予定です。)
それを眺めて、正直なところ、胸が熱くなりました。
そこに並んでいたのは、一直線の成功物語ではありません。
迷い、立ち止まり、遠回りし、それでも前に進もうとした記録でした。
創業当初は、「新しい技術で、世の中を面白くしたい」という純粋な衝動だけで走っていました。
けれど会社が成長するにつれ、組織は複雑になり、価値観のズレや摩擦も生まれました。
結果的に仲間が去ったこともありました。
代表である私自身が、自分の未熟さと向き合わざるを得なかった時期もあります。
年表に記された「再生期」という言葉がありました。
それは単に業績が回復した時期を指すものではありません。
「僕たちは、何のために存在するのか?」
この問いから逃げずに向き合い、答えを自分たちの言葉で定め直した時間でした。
選んだ言葉は、今も変わっていません。
IT技術によるイノベーションにより、顧客と共に社会の進化を実現する。
簡単なようで、最も難しい挑戦です。
私たちのやってきたことは、この言葉が本物かどうかを、顧客や仲間、そして自分自身から問い続けられてきた時間だったのだと、今ならはっきり言えます。
3. なぜ「CLまつり」なのか。感謝を、感情のままに伝えたい
2025年12月26日。
私たちは「CLまつり」を開催します。
最初は、いわゆる「周年記念イベント」を想定していました。
けれど、どうしても違和感が拭えませんでした。
私たちが歩んできた20年の時間は、もっと不器用で、もっと温度のあるものだったはずです。
ならば、そのままの形で感謝を伝えたい。
だから、あえて「まつり」にしました。
秋葉原という、技術とカルチャーが混ざり合う街で、真冬に、あえて縁日のような空間をつくる。
焼きそばを食べ、おでんを囲み、寿司職人が目の前で握る一貫に舌鼓を打つ。
それは、効率とは真逆の、でも確実に人の心を温める時間です。
成果や肩書きではなく、人として向き合い、笑い合う。
これこそが、私たちが大切にしてきた Joy(喜び) を、
言葉ではなく体験として分かち合う場なのだと思っています。
4. アナログとAIが、同じ空間に存在するということ
CLまつりの会場では、アナログとAIが同じ空間に存在します。
大人たちが童心に帰ってミニ四駆を走らせたり、屋台がある一方で、生成AIを使ってキャラクターを生み出す体験が並行して行われます。
懐かしさと最先端。
手触りのある遊びと、無限に拡張する知性。
どちらが正しい、ではありません。
両方があるからこそ、人はワクワクできる。
過去と未来、アナログとデジタルが自然に溶け合う場所にこそ、世代や立場を越えた「つながり」が生まれる。僕は、そう信じています。
このイベントに向けて、想いをまとめた資料も作りました。
それは単なる企画書ではなく、「なぜ、僕たちはこのまつりをやるのか」という問いへの、一つの答えです。
5. 家族も招く理由。それは、もう一人の主役だから
CLまつりには、社員のご家族もお招きします。
これは、私にとって強い想いのある判断でした。
クリエーションラインの歩みは、決して社員だけでつくってきたものではありません。
その背後には、遅い帰りを待ち、悩みを聞き、黙って支え続けてくれたご家族の存在があります。
だからこそ、パパやママが
どんな仲間と、どんな想いで仕事をしているのか。
どんな空気の中で、どんなチームの一員として日々を過ごしているのか。
それを、ぜひご家族にも直接見て、感じてもらいたいと思いました。
クリエーションラインのメンバーは、日本全国でリモートワークをしています。
今回のCLまつりでは、北は北海道から南は沖縄まで、全国各地からご家族をお招きすることになります。
正直に言えば、簡単なことではありませんし、費用も決して小さくはありません。
それでも、この判断の根っこには、私たちが大切にしてきた価値観があります。
家族に対しても謙虚でありたい。
支えてくれている存在を、当たり前だと思わない。
信頼と感謝を、言葉と行動でちゃんと伝える。
HRT を社内や顧客だけでなく、
その背後にいる人たちにまで広げていくこと。
それもまた、クリエーションラインらしさだと思っています。
会社の代表として。
そして、一人の親として。
この想いだけは、どうしても譲ることができませんでした。
6. 「Joy of the Year」――私たちが本当に称えたいもの
CLまつりの中で、LT大会を実施し、そのなかから「Joy of the Year」を発表します。
これは、売上や成果指標を競うものではありません。
誰かを尊重し、
誰かを信頼し、
誰かの挑戦を支えた行動。
そんな HRT の積み重ねの先に生まれた Joy を、私たちは一番大切に称えたい。
それこそが、クリエーションラインのカルチャーであり、私たちがこの先も守り続けたい価値観です。
7. これからの20年も、どこまでも人間臭く
AIの進化は、これからさらに加速していくでしょう。
昨日の常識が、明日には通用しなくなる時代が続きます。
それでも、私は不安よりも期待の方が大きい。
なぜなら、クリエーションラインには人と人のつながりを大切にする文化があるからです。
私たちは、最先端の技術を扱いながらも、
心はどこまでもアナログで、人の感情に寄り添える集団であり続けたい。
「CLの人たちって、ちょっと変わってますよね(笑)」
そう言われることが、私にとって最高の褒め言葉です。
8. 最後に――感謝と、招待状
2025年、私たちを支えてくださったすべての皆さまへ。
心から、ありがとうございます。
皆さまがいてくれたから、
私たちは20周年という場所まで歩いてくることができました。
2025年12月26日。
「CLまつり」で、ぜひお会いしましょう。
堅苦しい挨拶はいりません。
ただ一緒に笑い、語り、未来を面白がりましょう。
2025年、本当にお世話になりました。
そして、これから迎えるクリエーションラインの「20周年」と、その先の未来も、どうぞよろしくお願いいたします。

