PSPO-AIE 研修を受講して得た学びと気づき

こんにちは、Agile CoE のチームリーダーをしている "いづいづ" こと伊藤いづみです!

ブラックフライデーで、5年間使っていたドライヤーを Panasonic の nanocare に買い替えたところ、その進化に驚きました。肌に当てるだけでうるおいを保つ「SKINモード」なるものが搭載されていて、もはやドライヤーは髪だけのものではない時代なんですね…。

先日 Scrum.org™ が提供する 認定プロフェッショナルスクラムプロダクトオーナー AIエッセンシャル™(PSPO-AIE)研修(名前が長い!)を受講しました。

社会の変化が激しい現在ではプロダクトの方向性も頻繁に変わるため、PO 自身も状況に応じた判断や姿勢の切り替えが求められます。当然のことながらスクラムチームを支援するアジャイルコーチ/スクラムマスターの関わり方も変化が必要です。
このような状況下でPO支援がAI活用によってどう変わるのかを理解したく、今回の研修に参加しました。この記事では研修によって得られた私自身の理解や気づきを中心に書いています。

研修の概要

プロダクトオーナー、プロダクトマネージャーを始めとしたプロダクトに関わる立場の人がAIを理解し、活用し適用していけるようになるためのインタラクティブで実践的なコースです。
概要はこちらよりご覧いただけます。

本研修で勉強になった点

POは、組織や状況に応じて戦略的に振る舞いを変えながらプロダクトの舵を切る必要がある。そしてAIは意思決定のスピードや方向性の明確化を支援する強力なツールとなる。しかしAIにすべてを任せるのではなく「AIをどう活かすか」という視点を押さえることが、POのみならず開発チーム全体にとってより重要になってくる

本研修を通じて私はこのように理解をしました。

まず、プロダクト開発には戦略的かつ戦術的な思考が求められます。戦略的かつ戦術的な思考とはつまり組織の状態やその状況に応じて適切に切り替えることができるということであり、実際には思考だけではなくふるまいも含まれると考えています。研修では、PO に推奨される 7 つの姿勢という内容でこのあたりに触れていました。そしてその姿勢ごとにAIの適切な活用方法は違ってくるのでそこを押さえておく必要があると思いました。

1. 高速プロトタイピングによって早期からユーザーの頭の中を可視化

AI を使って数分でプロトタイプを作成し、bolt.new を使って実際に試す機会がありました。
ユーザーの頭の中を素早く可視化してチームで議論したり、ユーザーインタビューで具体的な反応を得られることは、仮説検証のスピードと質を大きく引き上げると実感しました。

2. インタビュー内容の構造化

AI にユーザーインタビューの内容を高速かつ体系的に記録してもらうことで「もっと深掘りすべき点」や「矛盾している部分」など重要なインサイトだけれども見落としがちな点にその場で気づくことができすぐにインタビューに反映できます。ここはまさに、AI が人間の限界を補完してくれる領域だと感じました。

3. 違和感を拾う、壁打ち相手としてのAI

一方で、研修中にはAIが返してくる回答が無難なものに落ち着いていると感じる場面もありました。AIの回答を鵜呑みにするのではなく、自分が感じた違和感を見逃さないことも今の時代では大切です。なぜならそこには人間としてのユーザーが感じる潜在的な価値や課題が隠れている可能性があるからです。違和感をスルーせず、この引っ掛かりを起点にAIと深掘りするのは良い活用方法に感じました。

おわりに

本研修を受けて、アジャイルコーチ/スクラムマスターとして今後取り組みたいことは以下のとおりです

  • POを含めチームは戦略的かつ戦術的な思考が求められるため、「PO に推奨される 7 つの姿勢」を参考に状況に応じた適切なふるまいを支援する
  • それぞれに合わせた適切なAIの活用方法を提案する
  • AIに任せきりにせず、ときには潜在的な価値や課題について人が考えることをサポートする

これらの視点を持ちながら、今後も PO 支援を含むプロダクト開発に深く関わっていきたいと思います!

Author

AgileCoEチームでスクラムマスターとかアジャイルコーチをやってます。好きな言葉はオシム監督の「水を運ぶ人」ですがサッカーはよくわかりません。好きな草はパクチーです。

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