あなたの知らないPSM IIIの世界 ~生成AI時代の考える力と、生成AIを活用した試験対策~

2025年の年末に、Scrum.orgのProfessional Scrum Master™ III(通称 PSM III)の認定試験を受けてきました。受験者・合格者が少ないこともあって、PSM IIIについてはあまり情報が出ていないんですよね。
今日は、PSM III認定試験を通じて得られたものや、その勉強方法を共有します。
PSM IIIの概要
PSM IIIは、Scrum.orgが提供するスクラムマスター系の認定資格の中で、一番難易度が高い資格です。
- 受験料:$500
- 時間:2.5時間(150分)
- 質問数:24問
- 形式:エッセイ問題
PSM I, IIと一番異なるところは、エッセイ形式ですね。選択式ならば、消去法や選択肢から絞れるところも、エッセイ形式だと自分で回答を考える必要があります。スクラムマスターとしての経験がないと、かなり厳しいかと思います。
時間もシビアで、24問を150分で回答する必要があるので、回答時間はおよそ5~6分です。基本的にコピペできず、全て文字入力しなければなりません。時間という観点からも、何もないところから考えているのでは時間が足りないので、今までの実践経験や知識の中から即座に引っ張りだして適切にまとめる力が求められます。
(地味に、$500の受験料も痛い。レート次第で10万弱になりますね…)
PSM IIIで得られたもの:生成AI時代にも必要な、考える力
自分で考えて、言語化する力を得られる
当時はPSM IIIには直接触れていないものの、「選択肢から推測するのではなく、自分で回答を考える」という過程を通じて得られるものは共通しているので、以前のブログを紹介します。
当時と大きく違う点は、生成AIの登場ですね。AIに質問すれば、色々答えてくれるようになってきたものの、下記の点からまだまだスクラムマスターが自身で考えて言語化する力は必要だと感じています。
- 生成AIは一般的な回答をしてくれるが、文脈に応じた回答は人間自身が判断しないといけない
- 会議や対話・ファシリテーションの場において、即座に共有・説明する力が必要
PSM IIIの試験を通じて、これらを身につけることができました。
専門家から詳細なフィードバックをもらえる
回答に数週間ほどかかりますが、専門家から採点を通じて詳細なフィードバックをもらえます(フィードバックのサンプルはこちら)
私は、大きく分類して以下のフィードバックをもらいました。
- 明確さに欠ける(繰り返し、冗長な表現多い、要点を捉えていない)
- 具体性に欠ける(一般論に終始してる)
例えば「スクラムチーム内で対立が起きた」や「ベロシティについて、ステークホルダーの理解が浅い」という状況に対して、「スクラムマスターとしてどう振る舞うか」といった設問がありました。これらに対する対応策を明確に示すことが求められていたのです。
これらのフィードバックは、単に試験対策だけでなく、日常業務でも改善・向上させたいところでした(自分でも説明が冗長だなあと感じたときが、稀によくあったので)フィードバックをきっかけに、日常業務でも取り組んでいきたいことを定めることができました。
希少価値が高い
Scrum.org公式ページ曰く、このブログ執筆時点で取得者数は1300人程度です。正確なところは未確認ですが、日本人はまだ一人・日本圏内でも数人しか取得していないかと思われます。
PSM IIIの勉強方法:生成AIを活用した試験対策
まずは、Professional Scrum Master III (PSM III) Study | by Ryan | Serious Scrum | Mediumに目を通しておきましょう。先人のPST ( Professional Scrum Trainer )がPSM IIIについて解説した記事です。
その上で、実際の試験対策について。エッセイ形式は、試験対策がなかなか難しいんですよね。選択式だと、NotebookLMでテストを出題してもらうこともできるのですが。
というわけで、自分で作ってみました。
- PSM III学習システム : https://github.com/ikikko/psm3-study-system-sample
このシステムは、Scrum.orgのProfessional Scrum Master III (PSM III)試験対策のための学習ツールです。Cursor Agentとファイルベースでやり取りしながら、エッセイ形式の問題に取り組み、詳細なフィードバックを受け取ることができます。
正直、生成AIとこの自作の学習システムがなければ、全然対策ができなかったと思います(主に、回答時間の感覚を掴むのに役立ちました)これからの時代は、生成AIをうまく活用していくと効果的・効率的に学習していけそうですよね。
というわけで、(2025年12月22日時点でおそらく)日本人第一号となるPSM IIIを取得しました!認定試験を受けて終わりではなく、ここからの展開も色々考えてるので、2026年もよろしくお願いします!!

