今こそ考える、アウトカム志向なゴールの重要性 ~ 高速に道に迷ってしまわないように ~

最近、自分の中でゴールを大事にする傾向が強くなってきました。なぜそう考えているのか・どういったことを考えているのか、この機会に頭の中をダンプしておこうと思います。
ゴールの重要性
ここ数年のプロダクト開発の流れの中で、生成AIを無視することはできません。
- どう作るか:AIが、かなりの領域でサポートできる・自律的に動けるようになった
- なぜ / 何を作るか:人間が、主体的に判断する領域が残されている
例えると「ゴールがずれたまま高速に車を走らせても、高速に迷子になるだけ」と言えるでしょう。
こういった流れの中で、これからはより一層適切なゴールを立てる & そのゴールに向かって検査と適応を繰り返すことが重要になってきています。

アウトプットゴールだけではなく、アウトカムゴールを
それでは、適切なゴールとは何でしょう?その一つに「アウトカム志向のゴール」が挙げられます。アウトプットとアウトカムの定義を、EBMガイドから引用します。
- アウトプット: 組織が作成するものを指す。例えば、プロダクトのリリース(機能を含む)、レポート、欠陥レポート、プロダクトレビュー結果などが挙げられる。
- アウトカム: プロダクトの顧客またはユーザーが体験する望ましい成果のことを指す。これらは、顧客またはユーザーが以前は達成できなかった新しい能力または改善された能力を表している。例えば、以前よりも速く目的地に行けるようになったり、以前より稼げたり節約できたりすることが挙げられる。
アウトプットだけ頑張っていても、顧客やユーザーが実現したかった成果:アウトカムが向上しているかは分からないということですね。ゴールの定義にアウトカムを含め、そのゴールを見据えながら進めていく必要があります。
下記に、アウトカム志向のゴールに関連した、概念・プラクティスをいくつか紹介します。
Scrum Guide Expansion Pack(スクラムガイド拡張パック)
スクラムガイドを拡張したScrum Guide Expansion Packで、以下の関連ドキュメントが紹介されています。
- スクラムガイド拡張版:従来の「完成の定義」が「アウトプット完成の定義」となり、新たに「アウトカム完成の定義」が追加されている
- プロダクト思考:スクラムの支援・補完理論として紹介されており、アウトプット・アウトカムの定義やそれらを前提としたプロダクトマネジメントについて解説されている
EBM(Evidence Based Management - エビデンスベースドマネジメント)
EBMは、実験とフィードバックを用いて、よりよい情報に基づいた判断を支援するフレームワークです。
この中で、アウトプットやアウトカムが定義されていると共に、EBMの各種ゴール(特に戦略的・中間ゴール)を、アウトカムに基づいたゴールにすることが推奨されています。

OKR(Objectives and Key Results)
OKRは、「野心的な目標(Objective)」と「目標の達成を証明する具体的な数値指標(Key Result)」を組み合わせ、組織やチームが目指すべき方向性を一致させて取り組むための目標管理手法です。
What Mattersで紹介されているOKRのサンプルを、以下に取り上げます。アウトプットではなく、アウトカムとしてユーザーが何をできるようになったかを証明するKRの立て方が示されています。
- O : 大多数のユーザーにとって使いやすいウェブサイトに修正する
- KR1 : 10人中7人がアクセスできる
- KR2 : 応答時間が1秒以内
- KR3 : エラー率が1%以内
高速に迷子にならないために。まずは今のゴールを「何を作るか」ではなく「誰にどんな成果を提供するか」というアウトカムの言葉に書き換えることから始めてみませんか?
これ以外にも、ゴールに沿ったネタはいくつか考えているので、機会を見ながら出していければと思ってます。
