~非エンジニア物語~ 🎉ITパスポート合格しました!…8年越しの悲願✨

クリエーションラインでは、エンジニアが全社員の約80%を占めます。本稿は、そんなクリエーションラインのエンジニアリングチームに所属する非エンジニアの私がITパスポートにやっと合格した話です。私と同じように『IT企業にいるけど、専門用語はちょっと苦手…』と感じている方や、これからITの基礎を学びたい学生さんに向けて、遠回りした私だからこそ伝えられる具体的な戦略を詰め込んでいます。
自己紹介
長女が幼稚園に入園したのを機に、私がクリエーションラインにジョインしたのは2017年で、社内翻訳専業のポジションからキャリアをスタートさせました。機械翻訳とAI翻訳技術の進化を間近で見てきた私は、現在エンジニアリングチームに所属しています。
なぜ今、ITパスポートを取ろうと思ったのか
クリエーションラインでは、昨年度から会社が学習にかかる費用を負担してくれる「スキルアップ支援制度」が導入され、学習や資格取得、講座やセミナーへの参加が奨励され、一定の条件のもと会社が費用を負担してくれます。
非エンジニアとしてエンジニアリングチームに所属する私は、リーダーの勧めもあり、これまでなんとなく学習は継続してきたものの試験を受けるまでに至っていなかった「ITパスポート試験」に挑戦することにしました。
📌ITパスポート試験の基本と、非IT系に有利な合格基準
以下、試験に関するデータの図表はITパスポート試験のホームページからの引用です。
「iパスは、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。」
へぇー、国家試験なんですね。
受験者の属性と合格率

(令和7年4月度~10月度の累計試験結果データ)
社会人の合格率は50%前後なんですね。IT系よりも非IT系のほうが合格率が高いのは、後述する合格基準の仕組みによるものだと思います。 これも後述しますが、ITパスポートには3つの出題分野があり、財務や企業マネジメントに関する知識を問う問題もあるので、これに小中学生が30%以上も合格しているのは驚きです。
出題範囲と合格基準

100問中8問は、採点されない目新しい問題が含まれているということですね。このことは事前にテキストを読んで知っていたおかげで、本番で急に見たことのない問題が出てきても焦ることはありませんでした。
3つの分野から出題
「ストラテジ系」
(3分野の中では、私には比較的点数が取りやすい分野でした。)
ITを経営やビジネスにどう活かすかという視点で、経営戦略、法務、会計、システム戦略など企業活動全般に関わる知識を問う分野です。技術そのものではなく、ITを使って企業が利益を上げ、競争力を高めるための戦略やビジネスモデル、法的な側面を学ぶ領域です。最近の過去問では「自動運転の水準レベル0~5までの国際基準」の内容についての出題もあり、本番の試験でも出題されました。
「マネジメント系」
(システム開発に関する問題が苦手でした。)
「ITシステムをどのように開発・管理・運営していくか」という側面を問う分野です。「開発技術」「プロジェクトマネジメント」「サービスマネジメント」の3つの領域に分かれており、システムの開発プロセス、プロジェクトの計画・実行、サービス提供の管理などに関する知識を学びます。
「テクノロジ系」
(計算問題が絶望的にできないので、それ以外で得点できるようがんばりました。)
IT技術の仕組みや知識を問う分野で、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、セキュリティ、データベース、アルゴリズム、AI技術などに関する知識が問われます。この分野は試験全体の約45%を占めます。
ITパスポートでは、得意を磨くより、苦手を克服すべし
全体の合計が600点以上、かつ、各分野を1000点満点換算して300点以上獲得で合格になります。 先述の「IT系の受験者が、非IT系の受験者よりも若干合格率が低い」のはここに要因があるかもしれません。テクノロジ系の出題が全体の45%以上のためIT系の受験者は全体で6割以上を得点しやすいのだと思います。しかし、ストラテジ系やマネジメント系でもそれぞれ3割以上は得点しないと合格できないため、ここの勉強を怠らぬよう注意が必要です。
【私を変えた】8年間の挫折を乗り越えた合格戦略

❌ 私が挫折した勉強方法(反面教師としてご活用ください)
- 本を買って勉強: 本を読む暇がなく挫折。出題範囲が広大で全容をつかめず挫折。
- アプリで過去問: 基礎知識が足りず不正解ばかりになり、心が折れて挫折。
- 目標なし勉強: 期限を切らずに「準備が整ったら受験」とダラダラ勉強で挫折。
💮合格までの道のり
実は私は、2022年から2025年までの3年間で技術系以外の資格や検定試験に4つ合格しています。いずれも一発合格です。この経験で培った「受かる学習方法」をITパスポート試験にも応用しました。
💡 私の勝利の方程式
- 映像授業を聞き流し、出題範囲の全容を把握✅
- 受験日を先に決めて申し込み(自分を追い込む)🗓️
- 過去問や模試で徹底的に苦手な問題をつぶす📚
- 合格点を優に超えるまで、とにかく演習💯
これまでダラダラと勉強してきた私ですが、それがプラスに働いたことが1つだけありました。「ITパスポートは出題内容が変わる割合や速度が他の試験に比べて早いことに気が付いた」ことです。最新技術やそれを活用したビジネスや、関連する法規制についての出題が多い試験なので、当然、出題のトレンドも移り変わるサイクルが早くなります。
そのため、過去問はあまり古いものをやっても意味がないと判断し、テキストには4年分の過去問が載っていましたが、自分がやるのは2年前までのものに限定して2周繰り返し、その他は最新版のテキストの模試をやりました。
💻スタディングの活用(会社サポートあり!)
- スタディング「ITパスポート試験講座」を受講。
- 受講費用はスキルアップ支援制度で会社が負担してくれました!
- 1.5倍速で家事中に聞き流すスタイルです。
- 学習の進捗状況がグラフで可視化、AIが間違えた演習問題を復習として出題、語彙のAI検索機能など、非エンジニアに優しい機能が充実していました。
- 苦手な項目は、別途YouTubeの解説動画も活用しました。
📖書籍の活用(会社サポートあり!)
映像授業で全範囲をカバーした後、『ITパスポートパーフェクトラーニング過去問題集』を購入し、分野ごとのまとめ演習のあと、過去問と模試に進みました。この過去問題集は左ページに問題、右ページに解答解説がレイアウトされているのでとても使いやすかったです。 書籍代もスキルアップ支援制度で会社が負担してくれました。

演習問題を解く際は、次の優先順位をつけて復習をしました。
| 🎯 優先すべき復習ポイント | ❌ 思い切って棄てたポイント |
| 出題頻度が高い & もう少しで〝完璧〟に理解できそうな問題 | どうしても理解できない問題(勘に頼る) |
| 出題頻度が高い & いつも間違える問題 | 苦手な計算問題(他で得点する戦略) |
✍勉強期間:約半年間
4月~11月。ぜんぜん勉強できなかった月もトータルで数か月間ありました。直前2週間の週末は1日4時間くらい勉強しました。
👛かかった費用:合計 17,037円
- スタディング「ITパスポート講座」7,920円
- 令和07年【下期】 ITパスポートパーフェクトラーニング過去問題集 1,430円
- ITパスポート受験費用 7,687円
📉私のリアルな試験結果と、本番で『難しい』と感じた理由

試験中は「これまでの過去問や模試よりもとても難しい…」と感じていました。これまで解いてきた問題の、もう1歩深いところを問われる出題が多かったように感じます。
また選択問題100問を2時間で解くので試験時間はかなり余ります。余った時間で、いったん棄てた計算問題をじっくり考えたり、勘に頼った問題を解き直したりして答案をブラッシュアップしました。
結果は過去自己ベストの得点でした。最も苦手にしていたテクノロジ系も無事300点を超え、次に苦手だったマネジメント分野で8割以上取れたのはうれしかったです。
✨合格後の景色:ITパスポートは非エンジニアに何をもたらしたか?
- 認知の変化: エンジニアの言葉の背景が、以前よりも理解できるようになりました。
- 自信、自己肯定感の向上: 幼少期~学生時代までずっと算数と理科が苦手で、文系の能力だけて生きてきた非エンジニアの私ですが、技術知識や専門用語を学ぶことへの自信がつきました。自己肯定感も上がり、これまで以上にポジティブな気持ちで業務に向き合えるようになりました。
- ITパスポートの真の価値: 単なる資格、また単に「ITの基礎知識」の取得のみでなく、業務全般にゆるく広く関連しているあらゆる基礎的な知識を身に着けることができました。その結果、エンジニアリングチームで働く非エンジニア職業人として確実にレベルアップできたと思います。
まとめ
ある程度の素養がすでにある人を除いて、ITパスポートは出題が広範囲に渡るので短期決戦にはあまり向かない試験かもしれません。しかし半年ほどの計画を立てて適切な学習戦略を立てれば、私のように仕事や家事育児をしながらでも無理なく確実に合格できます。
何より、IT企業に勤める社会人として持っておくべき知識が、技術分野のみならず、企業経営戦略・財務・法務・マーケティングに至るまでカバーされているので非エンジニアには有意義な学習プロセスになると思います。
来年度は、AWS Certified Cloud Practitioner や AWS Certified AI Practitioner などAWS系の資格に挑戦しようと考えています。また皆さんに良い報告ができるといいな♪
