ISM AI Lab(#1) 参加レポート

1. イベントレポート

【イベントレポート】「ISM AI Lab イベント」第1回 〜AIやろうぜ!〜

先日、AIエージェントの実践的な活用とこれからの働き方をテーマにしたイベント「ISM AI Lab イベント」が開催されました。本記事では、イベントで語られた驚きのAI活用事例や、AI時代を生き抜く組織のあり方についてのパネルディスカッションの模様をお届けします。

繋がりが価値になる時代の「オフラインの場」

本イベントの企画者である宮川氏は、テレワークが普及し、AIが進化する現代において「同じ場所に集まって交流すること自体が贅沢であり、人と人との繋がり(ご縁)が究極の贅沢になる」と語りました。点と点が線になり、面になっていくような出会いを創出するため、このイベントは毎月第3水曜日に定期開催される予定です。また、参加者同士が継続的に情報交換できるよう、Discordのコミュニティも用意されています。

会場の様子
会場の様子

実践!AIエージェントの驚異の活用事例

イベントでは、実際にAIエージェントを実務に組み込んでいる登壇者から、生々しい事例が紹介されました。

1. 宮川氏によるAIエージェントの圧倒的活用術

  • インターネットを「レビュアー」にするWebサイト更新
    宮川氏は、CursorやClaude CodeなどのAIエージェントを駆使し、「自分でコードを一行も書かずに」自社のWebサイトを完全構築した事例を紹介しました。公開したサイトに対してSNSで寄せられたエンジニアからの厳しい指摘(XSSの脆弱性やタグの不備など)を、そのままAIに「全部直して」と直接投入し、自律的に高速修正させるという、インターネットの声をレビュアーにした新しいABテストのスタイルを実践しています。
  • OpenClawを活用した自律型AI秘書環境
    宮川氏の生産性を支える「AI秘書環境」のアーキテクチャも公開されました。自宅のPCで「OpenClaw」を稼働させ、外出先からの音声メモや会議録音をCloud AIで即座にテキスト化しています。これをZapierとDropboxの自動連携によってクラウドへ同期し、翌日Claude(AIエージェント)に対して「昨日話したアイデアをまとめて」と質問するだけで、完全な企画書として抽出されるという、極めて効率的なループを実現しています。
  • 「AI社長」の人格設計
    著名な経営者(DMM亀山会長など)の経歴やバックグラウンド、思考回路、過去のメディア発言などの知識ベースを構造化して学習させた「AI社長(AIアバター)」を作成するユニークな試みも披露されました。人間が相談を持ちかけると、本人さながらの視点と言葉尻で的確なアドバイスを返すAIエージェントとして機能し、イベント内でも実際に受け答えを行いました。
宮川氏事例1
宮川氏:事例1
宮川氏事例2
宮川氏:事例2
宮川氏事例3
宮川氏:事例3

宮川氏:事例3の動画

学習データのサンプル(参考)

https://www.youtube.com/watch?v=lm0wcOqRD4g

2. 民泊運営のバックオフィス業務をAIでフル自動化(竹本氏)

エンジニアとして働きながら民泊を運営する竹本氏は、日々の煩雑な業務をAIで劇的に効率化しています。Claude Codeを使って予約用の自社サイトを構築し、外部サイトの手数料を削減したほか、Google AnalyticsとAIを連携(MCPを利用)させて、AI自らにトラフィックデータを読み取らせ、サイトの課題発見と改善案の実装までを行わせています。さらに、Googleドライブに保存した請求書をAIに自動OCRで読み取らせ、GMOあおぞらネット銀行のAPIと連携することで、人間は「最終承認ボタン」を1クリックするだけで振り込み処理が完了する、自律的な決済業務の仕組み構築にも取り組んでいます。

竹本氏事例1
竹本氏:事例1
竹本氏事例2
竹本氏:事例2
竹本氏事例3
竹本氏:事例3

パネルディスカッション:「AI時代に強い会社」と「働き方の未来」

イベント後半のパネルディスカッションでは、「AI時代に強い会社とは?」というテーマで白熱した議論が交わされました。

  • 少数精鋭で小回りが利く組織 人を増やして労働集約的に組織を拡大するよりも、AIを前提としたシステム設計と自律自動化により、高利益体質を実現する「少数精鋭のAIネイティブ組織(例えば4名体制など)」が圧倒的な優位性を持つと指摘されました。
  • 変化への適応力 「AIを敵ではなく道具として使いこなせる会社」や、AIの進化に合わせて即座に事業領域をピボットできる「変化への強さ」を持つ会社が生き残るという未来像が強調されました。
  • AIによる失業と新時代の「人間の役割」 事務や経理、定型的なプログラミングといったホワイトカラーの定型業務の約80%は、確実にAIの領域になるという現実的な予測が語られました。一方で、人間ならではの「創造性」や「人との繋がり」、さらには「AIへの物理データ提供」や「顧客の真の課題を引き出し意義を言語化する上流工程」へと、仕事の主戦場がシフトしていくことが示唆されました。

まとめ:まずはAIを「体験」してみよう

「AIを使っていない人にどう良さを伝えるか?」という質問に対し、「理屈で説明するよりも、実際に5分間だけでもAIに触らせて、日常の面倒な業務をやらせてみるのが100倍効果的」という実践的なアドバイスが送られました。

AIエージェントはもはや遠い未来の話ではなく、私たちの業務やビジネスを根本から変えようとしています。本イベントは、そんなAI時代を先取りするためのヒントと、熱量を持った仲間との「繋がり」を得られる貴重な場です。ご興味のある方は、ぜひ次回のイベントやDiscordコミュニティに参加してみてはいかがでしょうか。

2. インフォグラフィック

各セッションの文字起こしを NotebookLM にアップロードして作成したものです。

ISMAILab#1-1 宮川さん
#1-1 宮川さん
ISMAILab#1-2 竹本さん
#1-2 竹本さん
ISMAILab#1 対談
#1 対談

3. おわりに

第1回「ISM AI Lab イベント」は、AIエージェントをすでに実務の中核に据えた実践者たちの生々しい事例と、AI時代の組織・働き方を真剣に問い直すパネルディスカッションを通じて、「AIは明日の話ではなく、今日すでに動き出している」という確かな手応えを参加者全員と共有できた場になりました。

登壇者の言葉を振り返ると、3つのメッセージが浮かび上がります。

  • まず触れる。 理屈よりも5分間の体験が人を変える。AI活用の第一歩は「使ってみること」に尽きます。
  • 繋がりを大切にする。 ツールがコモディティ化していく時代に、人と人との「ご縁」はますます希少な価値を持ちます。オフラインで顔を合わせ、互いの知見と熱量を交換する場が、次のアイデアや事業の種になります。
  • 変化に向き合い続ける。 少数精鋭のAIネイティブ組織が優位に立つ世界では、現状維持が最大のリスクです。AIとともに自分の役割を問い直し、アップデートし続ける姿勢が問われます。

AI駆動開発コミュニティとの連携へ

ISM AI Lab が掲げる「ビジネス × AI実践」の視点は、国内最大規模のAI開発コミュニティ AI駆動開発(AI-Driven Development)(connpass、メンバー約20,500名)とも深く共鳴します。同コミュニティでは Claude Code や Cursor を使ったエンジニアリングのノウハウが蓄積されており、今回の登壇者・宮川氏や竹本氏がデモした AIエージェント活用の裏側を支える技術と直結しています。

両コミュニティは互いに補完関係にあります。AI駆動開発が「どう作るか(技術実装)」に強みを持つ一方、ISM AI Lab は「どう使うか・組織をどう変えるか(ビジネス応用)」に軸足を置いています。この掛け合わせこそが、AIを真に事業の武器にする上で欠かせない視点です。今後はクロス登壇や共同イベントなど、エンジニアと経営・ビジネス層が同じテーブルで議論できる場づくりも視野に入れています。

ISM AI Lab は今後も毎月第3水曜日に開催予定です。「自分もAIで何か変えてみたい」「エンジニアと経営者が混ざり合う場で学びたい」と感じた方は、ぜひ次回のイベントへお越しください。参加者同士の継続的な情報交換の場として、Discordコミュニティも常時オープンしています。

AIの波は確実に来ています。技術と経営が融合する場所に、次のイノベーションの芽が育ちます。次回会場でお会いできることを楽しみにしています。

Author

自然言語処理案件とLLM活用案件をリード。LLM活用のその先を探求中。情報共有とナレッジ活用に注力。人の強みを引き出し活かせる仕事に存在意義を感じる今日この頃。趣味は旅行や食べ歩き。気に入った風景は360度撮影し、食事は3D撮影してから戴きます。

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