MongoDBの2025年振り返り

本記事は、MongoDB Inc.が2025年12月22日に公開した英語ブログ「That’s a Wrap: MongoDB’s 2025 in Review & 2026 Predictions」を日本語に翻訳・編集したものです。

今年もまた、年末がやってきました。「楽しい時間はあっという間に過ぎる」と言いますが、2025年のMongoDBにとっても、まさに時間は飛ぶように過ぎ去りました。

今年はMongoDBという企業にとってはもちろん、当社のデータプラットフォーム上でミッションクリティカルなワークロードを稼働させている数万の顧客企業や数百万人の開発者にとっても、飛躍の年となりました。MongoDBのあらゆる活動の根底には、常にお客様のニーズへの執着があります。もし2025年のテーマを一言で表すなら、それは「顧客のイノベーションを実現し、AI時代における成功を支援すること」に他なりません。

本記事では、2025年のMongoDBの主要なハイライトと、リーダー陣による2026年のテクノロジー業界予測をご紹介します。

2025年:MongoDBが歩んだこの一年

2025年は、Voyage AIの買収から顧客の成功事例まで、多くの出来事がありました。MongoDBがどのようにお客様のために構築を進めてきたか、いくつかのハイライトを見ていきましょう。

2月、MongoDBは埋め込み(Embedding)およびリランキング(Reranking)モデルのパイオニアであるVoyage AIの買収を発表しました。この統合により、金融や法律といった専門性の高い領域における「LLM(大規模言語モデル)のハルシネーション(生成AIによる事実でない回答)」という課題に対処し、検索精度を大幅に向上させることが可能になりました。

9月には、AIを活用したアプリケーション・モダナイゼーション・プラットフォームであるMongoDB AMPをローンチしました。これは、AIツール、実証済みのフレームワーク、専門家のガイダンスを組み合わせることで、企業の技術的負債の削減を支援するものです。これにより、レガシーアプリケーションの刷新を従来比で2〜3倍のスピードで実現します。

さらに、MongoDB Community EditionおよびEnterprise Serverにも検索機能とベクトル検索機能が追加されました。これにより、機密データをオンプレミス環境に残したままでも、RAG(検索拡張生成)などのAIネイティブなアプリケーションを構築・テストできるようになりました。これまでMongoDB Atlas(クラウド版)のみで利用可能だった機能が、セキュアなハイブリッド環境でも利用可能になったのです。

2025年もまた、世界中のあらゆる業界・規模の組織がMongoDBを活用して素晴らしい成果を上げました。

Factory(AIスタートアップ): AIエージェントを提供するFactory社では、断片化していた技術スタックをMongoDB AtlasとVoyage AIへ集約しました。これにより、1日あたり数十億トークンを処理するスケーラビリティと、優れたコード検索機能を実現しました。

McKesson(医薬品卸大手): 厳格な医薬品追跡規制に対応するため、モノリシックなレガシーインフラをMongoDB Atlasにリプレースしました。結果として、オペレーションを300倍に拡張し、年間12億個ものコンテナ追跡データを遅延なく管理できるようになりました。

これらの事例が示すように、MongoDBはもはや「ニッチなNoSQLソリューション」ではありません。高い可用性、ACIDトランザクション、堅牢なセキュリティを備えた、信頼される「エンタープライズ・パワーハウス」へと進化を遂げています。

2025年はリーダーシップの面でも変化の年でした。4月にはCFOとしてMike Berryが加わり、11月には11年以上にわたり会社を率いてきたDev IttycheriaがCEOを退任しました。後任としてCJ Desaiが新CEOに就任しています。

CJ Desaiは就任に際し、「MongoDBは新たなデータ革命の最前線に立ち、次なる生産性とインテリジェンスの波を解き放とうとしています」と述べ、明確なビジョンと顧客第一の文化をさらに推進していく姿勢を示しています。

2026年はどのような年になるのでしょうか?

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