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コミュニティにとって新生Chefが意味すること #getchef #chef

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Chef社はコミュニティがなければ存在していなかったでしょう。オープンソースコミュニティが、Chef社のすべてを支える基盤を構築したのです。Chef社は「第3章」に突入していますが、今後もChef社とコミュニティは共に進化・成長し、お互いを形作っていきます。

私達Chef社は、さまざまな分野の貢献者達のコミュニティによって構築されたオープンソースソフトウェアの方が、品質の高いソフトウェアであると確信しています。より多くの人々がコードを見て、より多くの観点が加わり、より多くの貢献がより良いソフトウェアを作ります。より良いソフトウェアとより良いコミュニティによって、Chef社が世界により大きな影響を持つことを意味します。Chef AutomateをはじめとするChef社の製品のさらなるオープンソース化で、Chef社の社内エンジニアと外部貢献者が話し合い、学びあい、互いの知識や経験に基づいて開発する機会がより増えていくでしょう。

私は、自身のインフラ管理をどうにかして楽にしたいという思いで、Chef社にエンジニアとしてジョインしました。コミュニティのおかげで、今日の私があるのです。どのメンバーも他のメンバーが成功することを心から望んでいます。私達はお互いの成功を祝福すると同時に、お互いの成功で成り立っていることを、私はChef SupermarketHabitatのコアメンテナとしてはっきりと学びました。Chefコミュニティのメンバーの誰かが成長すれば、私達全員が成長するのです。このようなコミュニティはなかなかありません。Chefコミュニティがオンラインコミュニティであることを考えると衝撃的でさえあります。

コミュニティはChef社を気分よくさせるだけのものではありません。ビジネス、業界、そして世界にとってもコミュニティは絶対に必要不可欠です。私達が組織・業界・政府として直面している技術的な問題、もしくは人類が直面している問題は、単独で解決することは不可能です。共同でコーディングしない、共同作業をしない、互いの成果に基づかない、というのはリスクが大きすぎます。DevOpsムーブメントは、管理技術が従来のように困難で非常に苦痛である必要はないという(今でも)過激な概念から始まりました。Gene Kim氏にThe Phoenix Projectを初めて読んだときのことを話したことを覚えています。その本の前半は、組織がいかに技術的・文化的負債の重圧の下で麻痺し、機能しなくなるかが書かれていて、私は身につまされて泣けてきました。この重荷は、1人、1つのチーム、1つの企業、さらには1つの業界だけでは負担できません。コミュニティは、誰も一人ではないことを意味しています。

Chef社がソフトウェアの構築物を、コードをオープンソースにしたまま商品化する理由は、これらのプロジェクトの継続的な開発および新規プロジェクト立ち上げのための資金を獲得するためです。私達の以前の「フリーミアム」モデルは、いくつかのコードをクローズにしておく動機となっていましたが、最終的にはソフトウェアとコミュニティの両方にとってマイナスでした。私達の新しいビジネスモデルは、私達がより多くのオープンソースソフトウェアを作り、そのソフトウェアを中心としたコミュニティを作ることに経済的な動機づけをするものです。「無償」製品と「有償」製品のどちらにリソースを投入するかというビジネス上の駆け引きはなくなりました。

Chefコミュニティメンバーにとって、どんな意味がありますか?

Chef社のオープンソースコードベース(2019年4月のChef Automateを含む)は、今後もApache 2.0ライセンスの下にあり続けます。Chef社の商標が尊重される限り、Apache 2.0ライセンスの範囲内でChef社のソフトウェアを自由にフォーク・ビルド・配布することができます。詳しくはtrademark policyguidelines for distributionをご覧ください。

今回変更したのは、Chef社が提供する製品の配布物のライセンスです。すべての製品の次期メジャーバージョン(例えばChef 15とInSpec 4)以降、Chef社が作成する配布物は新しいライセンス条項に同意する必要があります。ライセンスの許諾は製品の使用時に必要になり、ダウンロード時には必要ありません。コマンドラインフラグ・環境変数・ディスク上の特定のファイルを指定するなどで、ライセンスを自動的に許諾することができます。つまり、ライセンス許諾の自動化は簡単です。これらの新しいライセンス条項は、以前のバージョンの製品(例えばChef 14とInSpec 3)には適用されません。これらのバージョンを変更せずに引き続き使用できます。ただし、次のメジャーバージョンがリリースされてから1年後(訳注:2020年4月末)にはサポートが終了します。

配布物の新しいライセンス条項とは何ですか?

このライセンスは何を言っているのでしょうか?

  • Chef社の配布物を個人利用している個人は、無料できます。
  • Chef社のソフトウェアの試用やプロトタイピングを行っている組織は、Chef社の配布物を無料で使うことができます。
  • 商用目的でChef社の配布物を使用している組織は、Chef社の配布物を使用するためにChef社とビジネス契約を結ぶ必要があります。

Chef社の配布物を使用するためには、すべての組織が支払いをしなくてはならないのですか?

  • 非営利あるいはその他の「慈善的な」組織(諸要件あり。これに関するガイダンスは近日中に提供予定)は、Chef社の配布物を無料で使うことができます。
  • 私達のオープンソースプロジェクトに多大な貢献をしてくれた組織であれば、Chef社のソフトウェアのライセンスに関連したビジネス上の考慮を求めることができる要件を満たすかもしれません。詳細は近日中に発表する予定です。

あなたの組織がこれらのカテゴリに該当せず、Chef社の配布物に支払いを行いたくない場合は、次の2つの選択肢があります:

  • Chef社の製品の旧バージョンに留まることができます(次のメジャーバージョンのリリース後、1年間(訳注:2020年4月末まで)サポートされます)。
  • コードをフォークし、商標を削除したうえで、独自の配布物を構築できます(詳細については、guidelines for distributionをご覧ください)。

フォークやコミュニティの配布物についてどう考えていますか?

私達がビジネスモデルの変更を発表してから頻繁に聞かれる疑問は、「誰かがChef社の製品のコミュニティフォークや配布物を作ったらどうなりますか?」というものです。答えは「私達はそれらを歓迎します!」Chef社の製品を自由にフォークしてもらって構いません。私達のtrademark policyを遵守している限り、Chef社の製品は誰でも自由にビルド・配布・商品化できます。私達は活気のある技術コミュニティとして互いに学び合い、成功を積み重ねていきたいと思っています。

多くの人から尋ねられるもう一つの質問は、「Red Hat社がCentOSでやっているように、Chef社がコミュニティフォークや配布物を作って運営しないのはなぜですか?」です。CentOSは今日Red Hat社によって後援されていますが、その最初の10年間はRed Hat社から分離されていたことを思い出してみてください。Red Hat社がCentOSの所有権を取得するまでに、CentOSはその実効性を証明し、業界全体で広く採用されていました。最終的にChef社がコミュニティフォークを後援することになるのでしょうか?確かにそれは可能性としてはありますが、Chef社が直接介入する前に、長い時間をかけてフォークの実効性と普及を見る必要があります。本件に興味がある方はChefコミュニティSlackの#community-distrosチャンネルに参加してください。

コミュニティとしての機能はどうなりますか?

100%オープンソース製品コードのモデルに変更することで、Chef社とChefコミュニティの両方がより強固なものになります。これまでChefは3つの別々のコミュニティ(Chef、Inspec、Habitat)から構成されており、それぞれに独自のオープンソースガバナンスプロセスがありました。Chef Automateの追加により、オープンソースの割合は大幅に増加しました。別々のガバナンスシステムと別々のコミュニティではもはや存続できません。すべてのプロジェクトで、単一のコミュニティとして一貫した(必ずしも均一ではない)ガバナンスシステムが必要です。Chefプロジェクトに貢献する人は、InSpecプロジェクトやHabitatプロジェクトに貢献するのとほぼ同じプロセスに従うことができるはずです。

Chef社内のタイガーチーム(私、Robb Kidd、Tim Smith、Ian Henry、Miah Johnson、Jerry Aldrich、Gina Peers、そしてNDAのもとで参画し素晴らしい支援をしてくれたコミュニティメンバーで構成)は、Chef社でオープンソースソフトウェアを作成する方法と、オープンソースコミュニティとして機能する方法を定義した「The Chef Book of Open Source」を作成しました。この本で定義されているプロセスは、今後数か月のうちにChef社の1,000以上のオープンソースプロジェクトに段階的に展開される予定です。現在リポジトリにあるのは、この本の最初のドラフトにすぎません。コミュニティとして、私達は学びながら推敲を重ねる予定です。この活動に参加したい場合は、リポジトリをチェックアウトして、イシューおよびプルリクエストを作成して、議論を始めましょう。

あなたの助けが必要です!ChefコミュニティSlackDiscourseフォーラムでオンラインで会話を始めましょう。 また、2019年5月20日にはChefConfの一環としてコミュニティサミットを開催します。コード SummitChef19 を入力するとChefConfとコミュニティサミットの両方に595ドルの割引料金で登録できます。 (訳注:開催終了したイベントです)

ChefコミュニティとChef社の未来を一緒に作って育てていきましょう!


原文: What Does the New Chef Mean for the Community? (2019/4/9)

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