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SoftLayerでEVaultを使ってみる #SoftLayer

この記事は1年以上前に投稿されました。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

今回の記事では、SoftLayerでのEVaultによるバックアップ&リストアを解説します。SoftLayerではEVaultを標準サービスとして採用しています。

EVaultの概要

EVaultとは

EVaultはSeagate社のファイルベースのバックアップ&リストアツールです。スケジューリング、バージョニング、Point in timeリカバリなどをGUIで操作できる優れたツールです。

EVaultの構成

EVaultはWebCC(Web Central Control)によって環境設定およびバックアップ&リストア操作が可能です。各サーバにはEVaultオーダ後、EVault Agentのインストーが必要です。なお、EVaultサーバは他のアプライアンスとは違ってSoftLayerに統合された形で提供されます。

Evault-baukup-1

EVaultの特長

  • ファイルベースのバックアップ&リストア
  • ファイル圧縮
  • ファイル暗号化
  • バージョニング(差分)
  • Point in timeリカバリ(厳密にはバージョン毎)
  • データセンターの縛りなし
  • UNIX/Linux/Windows対応
    • EVaultの料金

      月額料金(仮想サーバが時間料金でもEVaultの料金は月額)

      EVaultのオーダ

      事前準備

      Linuxサーバが1台必要です。

      hk-EVault-1.example.com Honk Kong Linux
      SECOND DISK 20GB(SAN) マウント済みの状態にしてください(例: /mnt/san1)
      Test File /mnt/san1/testfile バックアップおよびリストアのテストのためにファイルを作成しておいてください(例: env > /mnt/san1/testfile

      オーダ開始

      EVaultオーダは、Device DetailsのOther Storageから行います([Devices→Device List→Storage→Other Storage EVault:Add])。

      Evault-baukup-2

      Evault-baukup-3

      データセンター選択

      任意のデータセンターを選択します。今回の検証ではサーバはHong Kongで、EVaultのロケーションはSan Joseにしています。

      Evault-baukup-4

      現時点でサーバを稼働しているHong Kongを除いて10か所から選択できます。

      Evault-baukup-5

      オーダ確定

      内容を確認し、オーダを確定します。

      Evault-baukup-6

      オーダ結果の確認

      EVaultオーダの結果は、EVault Backupで確認できます([Storage→Backup])。

      Evault-baukup-7

      詳細情報を表示すると、パスワードやEVault Server、WebCCのリンクが確認できます。

      Evault-baukup-8

      EVault 設定

      前提

      VPN接続が前提です。EVaultのWeb CCにはVPN経由で接続する必要があります。
      VPN接続の方法は、次の記事を参照してください。

      EVault Agentのインストール

      EVaultのユーザ名とパスワードを用意してください。

      [Linuxの場合]

      対象のサーバにログインし、次のように実行してください。

      # wget -N http://downloads.service.softlayer.com/evault/evault_manual.sh

      # sh ./evault_manual.sh
      RedHat based distribution detected.

      Please supply the WebCC username for this server: IBME289550-1
      Please supply the WebCC password for this server: ********

      RHEL based installation
      …中略

      [Windowsの場合]

      サーバからインストールパッケージをダウンロードし、実行してください。

      http://downloads.service.softlayer.com/evault/EvaultInstall.exe

      WebCCへの接続

      EVault Agentの環境設定はWebCCから行います。EVault Backupの詳細画面を開いてWebCCをクリックします。WebCCへの接続はSoftLayerのマネジメントコンソールからVPN経由で直接行います。

      Evault-baukup-9

      EVault Agentの環境確認

      次はWebCCの画面です。サーバからAgentインストールを行っていますが、環境構成はまだ完了していない状態です。

      Evault-baukup-10

      This is a new Agent I would like to configure」をクリックします。

      Evault-baukup-11

      [設定]

      Agent Description test-agent-1 任意の名称

      Advenced Agent Setting

      Advenced Agent SettingでAgent運用の基本情報およびオプションを設定します。

      [Retention Type]

      今回は「Daily」にします。

      Evault-baukup-12

      [EDIT]をクリックして中身を確認してみます。

      Evault-baukup-13

      Number of days to keep backups: 1-9999 バックアップをキープする日数
      Number of copies to keep 1-999 キープするコピーファイルの数
      Number of days to keep Archives 0-9999 アーカイブが選択された場合、アーカイブを保持する日数

      [Open File]

      データベースやデータストアなどのデータバックアップの場合、サードパーティのプラグインをインストールして使うことができます。今回はスキップします。

      Evault-baukup-14

      [Notification]

      Eメール通知のためのSMTPサーバとユーザ情報を登録します。

      Evault-baukup-15

      設定が正常かどうかチェックします。

      Evault-baukup-16

      [Performance]

      バックアップ対象によって優先順位やネットワーク帯域の設定が出来ます。今回はデフォルトで進めます。

      Evault-baukup-17

      ここでAdvenced Agent Setting を確定します([Save Changes])。

      Job Type Selection

      ジョブ名とバックアップソースタイプを選択します。

      Evault-baukup-18

      Job Name test-job-1 任意の名称
      Backu Source Type Local System [Local System]: サーバにマウントされているすべてのファイルシステムをバックアップ対象に指定できます。
      [NFS Files]: サーバにマウントされてないネットワーク上のデバイスのファイルをバックアップ対象に指定できます。

      Selection(Data Files)

      バックタップ対象のディレクトリまたはファイルを選択します。今回は事前に準備してあるSECOND DISKの/mnt/san1/以下を対象にします。

      Evault-baukup-19

      バックアップ対象を確定します。

      Evault-baukup-20

      バックバップ対象のフォルダやファイルをワイルドカードを使ってフィルタすることもできます。

      Evault-baukup-21

      バックアップ対象のディレクトリやフィルタオプションを確定すると、次のように設定内容が確認できます。

      Evault-baukup-22

      Option(Encryption Type)

      今回はファイル暗号化は行いません。

      Evault-baukup-23

      もし、ファイルを暗号化するなら、次の暗号化方式から選択できます。

      • AES 256 bit
      • DES 56 bit
      • Blowfish 56 bit
      • Triple DES 112 bit
      • Blowfish 128 bit
      • AES 128 bit

      Schedule Detail

      Schedule設定は、基本設定のDailyベースで「Days of week/Days of Month/CustomCustom」から選択できます。Customは従来のCron設定とほぼ同じ形式です。今回は1時間に1回頻度のバックアップにしています。

      Evault-baukup-24

      「Days of week/Days of Month」は、バックアップ対象の週や月にチェックする設定なので今回は気にする必要はありません。

      確定したバックアップスケジュールは、次のよう確認できます。

      Evault-baukup-25

      Register Agent

      Agent登録は、デフォルト(Register to a Vault using a default profile)で進めます。

      Evault-baukup-26

      Destination

      デスティネーションではVaultの登録が確認できます。Vaultとは簡単に言えばバックアップ先です。[Save Changes]をクリックして内容を確定します。

      Evault-baukup-27

      次のようにAgentおよびJob一覧が見えるはずです。ステータスを注意してみると上段のAgentは「OK」になっており、下段のJobは「Nerver Run」なっているはずです。つまり、まだJobは実行されていません。

      Evault-baukup-28

      ジョブの実行

      Run Backup

      通常、Jobはスケジュールに従って実行されますが、今回は強制的にバックアップを実行してみます(前項の画面下段の[Run Backup])。Run Backup画面から[Start Backup]をクリックします。

      Evault-baukup-29

      バックアップの起動が終了すると、最後に次のような状態が表示されます。

      Evault-baukup-30

      [Close]でProcess Details画面を閉じ、Jobのステータスを確認します。

      Evault-baukup-31

      プロセスモニター

      バックアップの状況はプロセスモニターから確認できます。次は、2回のバックアップが実行された状況です。

      Evault-baukup-32

      データファイルのリストア

      事前準備

      今回は、誤認してファイルを削除してしまったと想定します。サーバからテストファイルを削除してください。

      # rm -f /mnt/san1/testfile
      # ls /mnt/san1/testfile
      ls: cannot access /mnt/san1/testfile: No such file or directory

      Run Restore

      では、バックアップからリストアを実行してみます([Jobs→test-job-1→Run Restore])。

      Evault-baukup-33

      Source

      リストア対象のバックアップデバイスとバックアップのバージョンを選択します。

      Evault-baukup-34

      Select a restore souce device Vault(ev-director501.service.softlayer.com-1 バックアップデバイス
      Restore from a signe safeset:Restore from this backup version 00000002(9/22/2014 2:00 AM-05:00) バックアップバージョン

      Data Selection(Restore Selection)

      バックアップのなかでリストアする「フォルダとファイル」を選択し、さらにフィルタを設定します。

      Evault-baukup-35
      Evault-baukup-36

      フィルタ指定は必須ではありません。

      Evault-baukup-37

      リストア対象を確定するとバックアップのなかでリストア対象が確認できます。

      Evault-baukup-38

      Option:Destination

      リストア先とファイルオーバーライトオプションを指定します。

      Evault-baukup-39

      Destination 元のバックアップ先にリストアするか、別のリストア先を指定するか選択します。
      File Overwrite 重複するファイルの扱いを指定します。

      リストアが終了すると、次のように結果が確認できます。

      Evault-baukup-40

      プロセスモニタ確認

      リストアしたバックアップのバージョンは、ステータスがBackupからRestoreに変わっていることが確認出来ます。

      Evault-baukup-41

      なお、サーバにログインして確認してみます。事前準備として削除したテストファイル(/mnt/san1/testfile)が復活し、内容が確認できるはずです。

      # ls /mnt/san1/testfile
      /mnt/san1/testfile
      # cat /mnt/san1/testfile
      HOSTNAME=hk-EVault-1.example.com
      TERM=xterm
      SHELL=/bin/bash
      HISTSIZE=1000
      SSH_CLIENT=219.117.239.161 63185 22
      SSH_TTY=/dev/pts/0
      USER=root
      …中略

      まとめ

      EVaultはファイルベースのバックアップ&リストアツールとして優れた製品です。今回の記事では基本的な機能の解説のみに絞り、特に運用レベルの解説は行っていません。今後の予定としています。

Author

モダンアーキテクチャー基盤のソリューションアーキテクトとして活動しています。

[著書]
・Amazon Cloudテクニカルガイド―EC2/S3からVPCまで徹底解析
・Amazon Elastic MapReduceテクニカルガイド ―クラウド型Hadoopで実現する大規模分散処理
・Cypherクエリー言語の事例で学ぶグラフデータベースNeo4j
・Neo4jを使うグラフ型データベース入門(共著)
・RDB技術者のためのNoSQLガイド(共著)

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