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【事例】KubernetesとSwarmを同時に使えるMKEでレガシーなシステムと融合できるモダンなマイクロサービスを開発
#Mirantis #Kubernetes #Swarm #モダナイズ

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本稿は、Mirantis ケーススタディ「Vaudoise Insurance Builds Out Modern Microservices with Mirantis Kubernetes Engine」を翻訳したものです。

スイスの保険会社であるVaudoise(ヴォードワーズ)社は、クリティカルでレガシーなシステムと連携するために、マイクロサービスによるアジリティを必要としていました。同社は Mirantis Kubernetes Engine(MKE)を導入し、シンプルな Swarm から始めた後、チームに最適なペースで Kubernetes を導入することができました。またこれらすべての過程でエンタープライズ向けサポートサービスを利用できました。

企業情報

    • 業種:保険業
    • 創業:1895
    • 拠点:スイス・ローザンヌ
    • 従業員数:約1,800
    • URL:https://www.vaudoise.ch/

レガシーなシステムでモダンなマイクロサービスを

スイスの保険会社Vaudoise Insurances社の創業は1895年にさかのぼり、同社のIT部門はかつてないほどに長い歴史をもちます。つまり他の多くの老舗企業と同様、1970〜80年代から利用しているレガシーなシステムを今も維持しているのです。
同社のシステムエンジニアPatrick Monbaron氏はこう述べます。「これらの取引システムは、わが社のコアビジネスのデータを扱っています。我々は細心の注意を払ってこのデータを取り扱わなければなりません。さらに保険事業者として厳しい規制の中で業務を遂行しなければなりませんでした。」
しかし同社はモノリシックのスピードで動くわけにはいきませんでした。必要なのはモダンでスケーラブルなアプリケーションとサービスを迅速に構築するためのインフラでした。そしてそれらのシステムは同社のレガシーなシステムと整合することが必須でした。
同社がさまざまなアプローチを検討した結果、Mirantisに白羽の矢が立ちました。MKEはSwarmとKubernetesの両方を並行して利用できるデュアルオーケストレータープラットフォームです。MKEの導入により同社はマイクロサービスを迅速にデプロイできるようになりました。またSwarmを活用して迅速かつ容易にコンテナとオーケストレーションを連動させることができました。今では同社はKubernetesなどのより複雑な技術の導入に向け歩みを進めています。

コンテナへの道

"開発者にとって画期的だった"
Vaudoise Inisurance 社 システムエンジニア Patrick Monbaron 氏

マイクロサービスならば、開発者は独自のチームや組織に固有のプロジェクトに適したツールを使用できます。例えば同社ならば、使用されている言語はJava、.NET、Python、または他の言語などの可能性があります。これらのサービスは、レガシーなシステムとAPI経由で通信し、保険数理士・顧客・ビジネススタッフなどのさまざまなユーザ用のフロントエンドでデータを利用可能にするなど、広範な分野の作業を担っているため、柔軟性が重要になります。

マイクロサービスによるシステム構築の開始を決めた当初、同社は仮想マシン(VM)の導入からスタートしました。VMはいくつかのアプリケーションには有効でしたが、このアプローチには限界があることにチームはすぐに気づいたと言います。

Monbaron氏は述べます。「マイクロサービスはVM上ではリソースの奪い合いになります。あるマイクロサービスで発生した問題は、他のマイクロサービスにも影響を及ぼします。マイクロサービスの構築とホストを、そのマイクロサービスのために作られたプラットフォーム上で行えることは開発者にとって大きなメリットとなります。」

同社はソリューションとしてコンテナの検討を開始しました。そして2019年、オンプレミスのシステムを当時の Docker Enterprise(現在のMKE)と統合したのです。

Monbaron 氏は言います。「コンテナではワークロードの分離が保証されています。あるワークロードがクラッシュしても他のワークロードはクラッシュしないように、各ワークロードにそれぞれ専用のリソースを割り当てることができます。開発者にとってこれは画期的なことでした。ワークロードがお互いに影響を与えないならば、開発者は任意のワークロードの開発に集中できるからです。ワークロードの分離はサービスの安定性という面でもメリットがあります。VMではなく設定をプロビジョニングするので、デリバリまでの時間も短縮されました。」

システムエンジニアの Nicolas Herzog 氏はこう述べます。「この変化には目を見張るものがあります。昔はすべての環境を含む各アプリケーションごとに高可用性のサーバを準備しなければならず、何日もかかっていました。今はどうでしょう。1つの環境を準備する時間はせいぜい半日、数時間もあれば十分です。数日かかっていたものが、たった数時間にまで短縮されました。」

段階的に学べるデュアルオーケストレーター

エンタープライズ向けサポートを重要視する同社だからこそ、コンテナをデプロイする場としてMKEを導入しています。システムエンジニアの Laurent Demierre 氏はこう述べます。「操作や設定などの質問に対しても迅速なサポートを受けることができます。」

そしてサポートと同様に重要なのが、MKEのデュアルオーケストレーター機能で、Swarm と Kubernetes、両方のコンテナオーケストレーションが利用できます。

Monbaron氏はこう述べます。「学習のしやすさから私たちはSwarmから使用し始めました。SwarmにはKubernetesのような複雑さがなく、すぐに導入できるのが魅力です。当時これはとても重要なことでした。今ではわが社にもKubernetesに精通した開発者がおり、MKEでオンプレミス環境にKubernetesを構築しています。次の目標はKubernetesを十全に活用することです。」

今後はクラウドとSaaSのサービスを構築する予定で、「ハイブリッドクラウド」が同社の合言葉になっています。Monbaron氏はこう述べます。「もちろん今後も自社のデータセンターでホスティングを続けます。クラウドにこれまで蓄積したわが社のデータを移行することはできません。オンプレミスで Swarm と Kubernetes を並行して使い続けます。」

課題
レガシーなシステムとの統合を図りながら、モダンなマイクロサービスを開発するためのエンタープライズ向けプラットフォームが必要だった。

ソリューション
Mirantis Kubernetes Engine(MKE)。エンタープライズ向けサポート付き。デュアルオーケストレータ機能によりSwarmとKubernetesの実行が可能。

導入の結果
数日かかっていたデプロイが数時間で可能に。開発チームはSwarmで経験を積み、Kubernetesにステップアップする準備を整えた。

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