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ソリューションアーキテクチャーデザイン連載(7/13):マイクロサービスにアーキテクチャーとは何ですか?

マイクロサービスアーキテクチャーは、アプリケーションを複数の小さな疎結合なサービスに分割するアーキテクチャースタイルです。各サービスは、単一の責務を持ち、それぞれが個別に開発・デプロイ・スケーリングされます。

マイクロサービスは、大規模で複雑なアプリケーションの開発や保守を容易にすることができます。各サービスは小規模であるため、より小さなチームが担当できます。また、各サービスは疎結合に設計されているため、他のサービスの変更に影響を受けることなく、独立して開発やデプロイができます。


マイクロサービスアーキテクチャーのメリットは、次の通りです。

  • スケーラビリティ
    必要なサービスだけをスケールアップすることができます。
  • 柔軟性
    各サービスが独立して開発や保守ができるため、新しい技術の導入や既存サービスの変更が容易になります。
  • 信頼性
    各サービスが独立しているため、障害が発生した場合でも、他のサービスに影響を与えることはありません。
  • スピード
    各サービスが独立して開発できるため、開発速度が向上します。
  • 再利用性
    各サービスは独立して開発されているため、他のアプリケーションやサービスでも再利用できます。

マイクロサービスアーキテクチャーのデメリットは、次の通りです。

  • 運用の複雑さ
    サービスが分割されることで、それぞれのサービスを個別にデプロイ・監視・管理する必要があります。これにより、運用が複雑になり、システム全体の管理が難しくなることがあります。
  • 分散システムの課題
    マイクロサービス間で通信が発生することから、ネットワークの遅延や障害が影響を与える可能性があります。また、データの整合性やトランザクション管理が難しくなることもあります。
  • サービス間の依存関係
    サービスが相互依存する場合、一部のサービスの変更や障害が他のサービスに影響を与えることがあります。これを回避するためには、適切なサービス境界の設定やバージョン管理が重要です。
  • 技術的な多様性
    マイクロサービスでは、それぞれのサービスが独立しているため、異なる技術スタックを採用することが可能です。しかし、これが技術的な多様性を生み出し、開発者が複数の技術や言語に精通する必要がある場合があります。
  • 開発コストの増加
    マイクロサービスアーキテクチャーの導入には、開発や運用に関する追加のコストが発生することがあります。例えば、各サービスの開発やデプロイのための環境構築や、APIの管理などが挙げられます。

マイクロサービスアーキテクチャースタイルを採用する際には、これらのデメリットを理解し、適切な対策を講じることが重要です。

 

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Author

モダンアーキテクチャー基盤のソリューションアーキテクトとして活動しています。

[著書]
・Amazon Cloudテクニカルガイド―EC2/S3からVPCまで徹底解析
・Amazon Elastic MapReduceテクニカルガイド ―クラウド型Hadoopで実現する大規模分散処理
・Cypherクエリー言語の事例で学ぶグラフデータベースNeo4j
・Neo4jを使うグラフ型データベース入門(共著)
・RDB技術者のためのNoSQLガイド(共著)

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