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BigQuery Editionsの概要を簡単に解説 #GoogleCloud #コスト削減

はじめに

クリエーションラインは2023年度からクラウドサービスを提供するチーム「クラウドソリューションチーム」を発足致しました。

クラウドソリューションチームは、お客様に対してクラウドインフラの設計~構築~運用を幅広くカバーするクラウドエンジニアリングサービスを提供し、クラウド利用に関する様々な課題を解決するソリューションとサービスを提供させていただくチームです。

以前こちらの記事でご紹介させていただいたコスト削減案の中にBigQuery Reservationがありましたが、今回は新料金体系である「BigQuery Editions」について簡単に内容をご紹介させていただきます。

概要

まず、BigQuery の料金は主に、コンピューティング料金とストレージの料金の 2 つの要素で構成されています。

・コンピューティング(分析)料金は、SQL クエリ、ユーザー定義関数、スクリプト、特定のデータ操作言語(DML)とデータ定義言語(DDL)のステートメントなどのクエリの処理にかかる費用
・ストレージの料金は、BigQuery に読み込むデータの保存にかかる費用

以前は定額利用の料金体系がありましたが、それに代わるものとしてBigQuery Editionsが提供されました。BigQuery Editionsは、コンピューティング(分析)料金に対する新しい料金体系になります。

3 つのエディション(Standard、Enterprise、Enterprise Plus)で構成され、それぞれ利用できる機能にも違いがあるので、用途や目的に合わせた選択が必要になってきます。

また、スロットの自動スケーリングを使用するように構成することも可能で、コストの最適化を図ることができます。

BigQuery エディションの概要

変更点

2023年7月5日から既存の定額料金モデルに代わり提供されました。

ストレージ料金

ストレージ料金については、以下の変更があります。※東京(asia-northeast1)の料金例

  新料金体系 旧料金体系
料金基準 圧縮データのサイズ 非圧縮データのサイズ
料金 アクティブストレージ 0.052ドル/GB
長期保存 0.026ドル/GB
アクティブストレージ 0.023ドル/GB
長期保存:0.016ドル/GB
形式 アクティブストレージ
長期保存
アクティブストレージ
長期保存

新料金体系では、単純に見るとストレージのコストが上がっているように見えます。ただ、以前は非圧縮データに対して課金されていたのですが、新料金体系では圧縮後データに対して課金されるようになりました。Google Cloud の発表によると、10分の1以上の圧縮率を達成したケースもあるようで、結果的に料金を下げられる期待ができます。

ストレージの料金

コンピューティング料金

新料金体系 オンデマンド BigQuery Editions
旧料金体系 オンデマンド 定額(年間定額、月次定額、Flex Slots)

以前はオンデマンド料金と定額料金の二つの課金体系がありました。このうちの定額料金が無くなり、新しく提供されたのがBigQuery Editionsになります。

BigQuery Editionsは定額料金と同じようにSlot単位での課金がされますが、違いとしては自動スケーリングが使用できること、料金の異なる三つのエディションが選択できるという点が挙げられます。

また、オンデマンドは25%の値上げが全てのリージョンを対象に実施されるように変更になりました。

オンデマンドは無料枠が1TB/月ありますが、無料枠を超える場合はBigQuery Editionsの検討をしてみるのが良いかと思われます。

コンピューティングの料金

BigQuery Edition

BigQuery Editionsは、従量課金制(自動スケーリングあり)の料金と、オプションの 1 年間 or 3 年間のコミットメントを提供しています。

エディションでは、処理されたバイト数ではなく、スロット単位で測定されるクエリ処理容量を消費し、スロット単位で課金されます。

BigQuery Editionsは 「Standard」「Enterprise」「Enterprise Plus」の3つのプランがあります。

Standard

標準的なSQL分析向け

Enterprise

エンタープライズワークロード向け

Enterprise Plus

ビジネスクリティカルなエンタープライズワークロード向け

3つのプランの料金と機能差分比較を表にしてみました。

  Standard Enterprise Enterprise Plus
料金 $0.051 / slot hour $0.0765 / slot hour $0.1275 / slot hour
1年契約   $0.0612 / slot hour (20%割引) $0.102 / slot hour (20%割引) 
3年契約   $0.0459 / slot hour (40%割引) $0.0765 / slot hour (40%割引)
最大予約サイズ 1600スロット 上限なし 上限なし
最大予約数 10 上限なし 上限なし
提供機能 自動スケーリング
Google管理暗号鍵
クエリ オブジェクト テーブル
Standard+
Google管理暗号鍵

BI Engine によるクエリの高速化
BigQuery ML
列レベルのアクセス制御
行レベルのセキュリティ
動的データのマスキング
ML 推論のあるオブジェク トテーブル
BigQuery Omni のサポート
Enterprise+
Google管理暗号鍵

顧客管理の暗号鍵(CMEK)
BI Engine によるクエリの高速化
Assured Workloads のサポート
SLA 99.9% 以上 99.99% 以上 99.99% 以上

その他の最新情報については公式ドキュメントを参考にしていただければと思います。

まとめ

BigQueryの新料金体系についてご紹介させていただきました。簡単に以下にまとめます。

  • ストレージ料金の課金は安くなること
  • コンピューティング料金については定額料金がBigQuery Editionsに移行されたこと
  • オンデマンドは25%の値上げがされたこと
  • BigQuery Editionsはスロット単位の課金であり、自動スケーリングによって最適化が可能であること
  • 3つのプランがあること

オンデマンドの無料枠を超える使用をされる場合は、ぜひBigQuery Editionsのご検討をしていただければと思います。

クリエーションラインは、クラウドインフラの設計~構築~運用を幅広くカバーするクラウドエンジニアリングサービスを提供しています。導入を検討されている方はお気軽にお問い合わせください。

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