アジャイルザムライ矢田のペアプロ100人斬りがプチリニューアルします

自己紹介とこのブログで話したいこと

全世界のみなさま、こんにちはこんばんは矢田です。普段は、Scrum Developerとして製造業の顧客に対して内製化支援を行っています。自分はそんな仕事をしながら、もう一つの顔があります。

自分は2024年の春ごろから「アジャイルザムライ」という肩書きを自称して、社外向けのイベントに登壇したり、CLmeetupという社外向けイベントで ペアプロ100人斬りというペアプロ企画を実践しています。

実はこの企画の前回の実施が11月ごろで少し時間が空いてしまっております。その大きな理由の第2回が終わった後にこの企画の方向性について重要なフィードバックがあり、考え直す時間が必要だったためです。

そして、プチリニューアルするという流れに至ったわけですが、このブログを通して再スタートを切るためにこれまでの顛末をまとめてみようと思います。内容が内容だけに個人ブログ感強めで、砕けた文章になってしまっている部分もあると思いますが、よければ最後までお付き合いください。

ペアプロ100人斬りとは

企画について

このイベントはアジャイルザムライこと矢田進之介が

特定の開発技術を極めた達人たちと真剣勝負しながら、

自らの技を磨き、アジャイル道を極めていく「物語」です

connpassにはこのように書いています。様々な分野の達人とトークをするのではなくて、実際にペアプロをしながら学びを得ようという企画です。

そもそもこの企画が始まった背景

この企画のもともとの発端は、CLMeetupで若手開発者向けのイベントをやりたいという話をいただいたところからスタートしました。

ちょうどそのときに、社内のメンバーが研修用に作ったサンプルアプリケーションが良い感じに生々しく汚いコードになっていて、このコンテンツをライブコーディングでデモするのではなくて、リアルな感じでペアプロしているところを配信してみたら興味を持ってくれる人がいそうという発想からこの企画が始まりました。

きづいたら自称アジャイルザムライというワードが生まれ、ペアプロ100人斬りという企画で開催準備が進み、第2試合までを実施して今に至ります。

実際のイベントの様子がyoutubeにアップロードされていますので、よければご覧ください。

【第1試合: VS やっとむさん】テーマ: リファクタリング

CLMeetup vol 22「アジャイルザムライ矢田のペアプロ100人斬り」VS やっとむさん

【第2試合: VS aki.mさん】テーマ: TDD

CLMeetup vol 31「アジャイルザムライ矢田のペアプロ100人斬り」VS aki.mさん

第1・2試合のふりかえり

データでみるペアプロ100斬り

自分としては、大先輩とペアプロしたり、社外の同年代の開発者と一緒に遊びではないペアプロをする機会が生まれて、単純に楽しかったですし、たった1時間ではありますが、その人の考え方なども吸収できて勉強になっていました。

視聴者の感想としても、良いフィードバックをたくさんいただきました。

  • ちゃんとペアプロに慣れている人が2人揃うとこんなにもすごいんだと思った
  • 他人のペアプロをちゃんとやっているところをみるのは、すごく貴重な体験だったので、これから続けて欲しい
  • 終わった後に現地で感想戦として設計を考えるのが楽しかった

また、もともと想定していたように、参加してくださった人の属性は、元々期待していた開発者の属性も多く、良い滑り出しになっていたように感じていました。下のグラフは、第2回ではありますが参加者アンケートの結果です。

社内からのフィードバック

①矢田さんの技術力が低く見えてしまわないか

ペアプロ中に認識が合わなくて自分が焦ってしまった場面があり、そういう姿を動画として残すことは矢田さんの技術力を低くみせてしまうのではないかというご意見を社内からいただきました。技術力をさらけだしてペアプロをすると、ダメなところをそのまま視聴者に見られてしまうことが自分のキャリアにとって本当に良いのかというところを心配されました。

②エンタメ化しすぎて視聴者へのアウトカムは出せているのか

第2試合を試聴していただいた方はおわかりになると思いますが、テーマがTDDになっているにもかかわらず、かなり逸脱した進め方をしてしまいました。こちらに関して社内のメンバーから「失敗劇としてみんなが面白おかしく見ることも一つの楽しさですが、そんなイベントとして続けていったとしても毎回何かしらのアウトカムがないと、真面目に学びたいという人のニーズを満たせず、シリーズのコンテンツとしては良いものにならないのではないか」という意見をいただき、非常に悔しい思いをしました。

自分のふりかえり

よかったこと

  • リアルなペアプロをやれたことが、視聴者にとってペアプロの進め方の一例を見れて勉強になっている
  • リアルなペアプロをみてもらうことで、自分ならどう設計するだろうか?と考えながら見てくれる人もいて、学びにつながっている
  • ペアプロが終わった後に、現地参加者だけで設計の感想戦をすることがものすごく勉強になった(参加者だけでなく、自分も)

改善したいこと

  • 自分のふるまいとして2回とも受け身になりすぎていた
    • お互いにいいところを出すというよりかは、自分が教えてもらっている感が強かった
  • 事前準備としてテーマ設定と視聴者に持ち帰ってもらいたいものの設計が甘かった
  • 試合形式にしているが、勝敗基準も曖昧だし面白みが少なくなってきた

立ち上げ当初の思い

いろいろなフィードバックを受けて心が少し折れつつも、改めてこの企画を立ち上げた時にどうしてやってみようと思ったのかを思い出してみました。自分自身は、技術力が特別にすごいわけではないので、こうやっていろいろなすごい人と関わることで成長していきたいという思いでこのイベントを企画しました。企画の定義に記載されている「自らの技を磨き、アジャイル道を極めていく「物語」です」という文章に立ち返った時に、エンジニアという自分や企画自体も続けながら成長していくことの方がリアルで生々しくて、自分らしさもあるなと思いました。

さらに、今回のフィードバックを受けてイベントを改善していくことで、そうした試行錯誤や成長のプロセスをオープンに残していく人はあまりいません。だからこそ、この企画は単なるイベントではなく、自分自身の成長をリアルタイムで記録するようなものとしても残していくと良いのではないかという考えに至りました。

今後の展望

というわけで、これからも一人のエンジニアとして成長していくために企画を続けていこうと思います。

そして、小さなアップデートではありますが、企画名を「ペアプロ100人斬り」から「ペアプロ100本稽古」に変えてペアプロ企画を再スタートさせようと思っています。すでにconnpassが公開されていると思いますが、3本目の稽古相手は「原田騎郎」さんです。

なぜ原田騎郎さんにお願いしたかというと、何度かお話しをさせてもらった時にテストに関する考え方やTDDの進め方で自分にとって勉強になる部分が多く、自分と原田さんのペアプロをみてもらうことが、視聴者にとっても学びになると思ったからです。

実際に、ペアプロ試合2本目が終わったタイミングで感想戦をする機会があり、前回の進め方の問題点を聞いたり、実際に同じお題でペアプロをさせてもらってテストを書きながら設計を育てていく進め方を教えてもらい、1時間のペアプロで自分のコードの書き方に新しい視点が加わったような感覚を得ました。

また、スクラムフェス金沢2024のOSTでモデリングを一緒にやってみた時にも、システムのふるまいからモデリングをしていくところが自分にとってものすごく学びになっていました。そういった背景もあって、原田さんと一緒にペアプロをすることで自分としても「ふるまいを意識して設計を育てていく」勘所を学びたいですし、それを視聴者とも共有したいと思い、今回のペアプロ稽古が実現しました。

これまでの反省を生かして次回は視聴者に持ち帰ってもらいたいものを意識しながら準備を進めつつ、当日を迎えるつもりです。まだ、現地枠は空いておりますので予定が合う方はぜひ現地にきて感想戦まで楽しんでいってください!お待ちしています!

【イベントの詳細】

  • アジャイルザムライ矢田のペアプロ100本稽古 【原田騎郎さんとテストファーストな実装とクラス設計】
  • 開催日時:2025年10月07日(火)19:00 ~ 20:30
  • リアル:秋葉原会場 / オンライン:Zoom
  • お申込み : https://creationline.connpass.com/event/368179/
https://creationline.connpass.com/event/368179

Author

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」をモットーとして、情報社会の現世に紛れるアジャイルザムライ。実際は、社内外でアジャイル開発を推進するAgile CoEチームに所属するエンジニア。データ分析や機械学習モデルの構築からバックエンドまでを主戦場としています。

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