【CLくんブログ】AI駆動のデリバリー&運用を実現する注目のHarness!
AIで進化するDevOpsプラットフォーム「Harness」

2026年に入ってもAI技術進化がスローダウンせず日に日にいろんなアップデートが発表されていますが、今回はデリバリーパイプラインをAIによって自動化するHarnessを取り上げたいと思います。
というのも先日、Geodesic Capital主催のイベントにて、CI/CDを自動化するスタートアップ「Harness」の幹部メンバーと直接ミーティングする機会をもちました。グローバルで急成長を続ける同社は、2026年に日本でオフィスを開設し、本格的に国内市場でのビジネス展開を開始する予定とのことでした。日本企業にとっても、AI時代のDevOpsを加速させる重要なプレイヤーがいよいよ上陸することになります。
CEOであるJyoti Bansal氏は、アプリケーションパフォーマンス管理(APM)分野で著名なAppDynamicsの創業者であり、同社をCiscoへ売却した実績を持つ連続起業家です。

クリエーションラインでは5年前にもHarness社とコンタクトしてソリューションを検証していました。その当時もCDを効率化するソリューションとして評価していましたが、今回特に印象的だったのは、Harnessがデリバリーや運用にフォーカスしてAI駆動を実現しており、DevOpsのOps側のAI活用を進める上で一つの選択肢になるということでした。
Harnessとは?
一言でいうと
「AI駆動でリリースを安全・高速にするDevOpsプラットフォーム」
Harnessは、DevOpsの自動化に加えて
- AI for Testing & Resilience :フィーチャー管理 (機能フラグ)、リリースモニタリング
- AI for Security & Compliance :SAST、SCA、Containr Scanning、専用ツール連携可
- AI for Cost & Optimization :クラウドコストマネジメント他
など、ソフトウェアデリバリー&運用に必要な機能を統合したDevOpsプラットフォームです。その最大の特徴は、「AIを前提とした設計」にあります。
従来のDevOpsツールは自動化を進めるものの、設定や最適化、トラブルシューティングは依然として人に依存する部分が多く残っていました。HarnessはそこにAIを組み込み、運用負荷を大幅に軽減しながら、品質とスピードの両立を実現しようとしています。
特に注目すべき機能が以下の2つです。
AI Test Automation
AI Test Automationは、テストの自動生成・最適化・実行を支援する機能です。変更差分を理解し、影響範囲を特定しながら、必要なテストを優先実行することで、テスト時間の短縮と品質担保を両立します。従来は網羅的に実行していた回帰テストを、AIがリスクベースで最適化することで、他のCIツールよりもテストが早いとの説明でした。開発スピードを落とさずに品質を高めることが可能になるようです。

AI for SRE
AI SREは、リリース後の安定運用を支援する機能です。デプロイ後のメトリクスやログを解析し、異常検知や自動ロールバック判断を行います。Harness曰く「AIによるリリースガードレール」です。リリースごとにパフォーマンスやエラーレートを自動評価し、問題があれば即座に是正アクションを取ることで、ビジネスリスクの最小化に寄与します。


どんなユーザーにとって便利なソリューションか?
Harnessは、特に以下のような企業にフィットするソリューションだと感じました。
- すでにCI/CDを導入しているが、CD運用が属人化している
- リリース判定やロールバック判断に人手が多くかかっている
- Gitやイシューは既存ツールを使いながらCDの運用高度化にAIを活用したい
クリエーションラインのお客様でも「CIは整備されているが、CDはまだ発展途上」というケースも少なくありません。デプロイは自動化されていても、本番リリースの最終判断は人間が行い、リリース後の影響確認も手動で行う、といった運用が多く見られます。
Harnessは、まさにその「CD部分」にAIを組み込みたい企業にとって有効な選択肢です。DevOpsを次のフェーズへ進めたい企業、SRE体制を強化したい企業、そしてAIを活用した自律的な運用を目指す企業にとって一つの選択肢になるのかなという印象を持ちました。
また、打合せの中で紹介してもらったユースケースとして、Goldmansachsの例がありました。GitレポジトリはGitHub、ArtifactoryはJFrog、CDの自動化にHarnessを利用しているとのことでした。日本でもGitは既存を使いつつ、CD部分の俗人化したJenkins運用を見直したいというユーザーにはマッチしたソリューションだと思います。
日本市場への期待
2026年の日本オフィス開設により、国内企業とのパートナーリングやローカライズも進むことが予想されます。これまでグローバル中心だったHarnessのプラットフォームが、日本市場に本格参入することで、CD領域における自動化が進みソフトウェアライフサイクルがスピードアップされることを期待したいと思います。
2026年のHarnessの日本での活動について注目していきたいと思います。
最後に
現代のソフトウェア開発に影響を与えた統一モデリング言語の開発などで知られるエンジニアのグラディ・ブーチ氏の動画が話題になっています。グラディさん曰く

- 私たちは「ソフトウェア工学の第3の黄金時代」の真っただ中にいる!
- 本質的な設計判断や責任は人間が担うべき=「AIは開発者を置き換えるものではない」
- 一方で「ソフトウェアのデリバリーパイプライン」は自動化の影響を受ける
Harnessチームとの打合せを受けて、まさにソフトウェアデリバリーの部分が劇的に自動化される未来がすぐそこに来ていると実感しました!
参考:Gigazine記事「私たちは「ソフトウェア工学の第3の黄金時代」の真っただ中にいる」 URL
