「巨大な既存コードにSASTは導入できない」は本当?開発を止めずに始めるレガシーコードのセキュリティ対策

セキュリティ対策が必要なのはわかっているものの、SAST導入でお悩みではありませんか?
長年運用してきた巨大なレガシーコードにSASTを導入したくても、既存コードを一括スキャンすると大量の問題が検出され、開発が止まるリスクがあります。
- 過去コードの修正に割ける予算も時間も「ゼロ」
- 機能開発やリリースラインを止める選択肢は「存在しない」
- それでも、野放しの脆弱性がもたらすビジネスリスクからは「逃げられない」
そんな理由から、コードセキュリティ対策の導入に踏み切れない企業は少なくありません。
巨大な既存コードを抱えるチームほど、このハードルに阻まれて最初の一歩を踏み出せずにいます。ですが、「過去のコードすべてを今すぐ完璧にする必要はない」と言われたらどうでしょうか?
本記事では、SonarQubeの「Clean as You Code」という考え方をもとに、既存の巨大なコードベースを一度に修正することなく、開発を止めずにSAST・コードセキュリティ対策を始める方法を解説します。
レガシーコード対策のコツ:「過去のコード」は一旦置き、「今日のコード」を綺麗にする
既存プロジェクトでコードセキュリティを導入する際、最も避けるべきは「ツールを入れたせいで開発プロセスが停滞すること」です。
そこで知っておきたいのが、SonarQubeが提唱する「Clean as You Code」というアプローチです。(SonarQube Docs)
他の多くのツールが「過去のコードも含めた全体のスキャン結果」を提示して一括での改善を迫るのに対し、SonarQubeのこの手法では「これから書くコード(新規・変更コード)」の品質・セキュリティだけに集中します。
なぜ既存コードを放置しても大丈夫なのか?
SonarQubeの全体ダッシュボードで緊急度の高い重大リスク(Vulnerabilityなど)は個別タスクとして管理されます。そのため、既存コードに潜む重大なセキュリティ課題が放置されることはありません。
また、現在稼働しており、手を加える予定のない過去のコードは、ビジネス上の直近のリスクとしては比較的低いと言えます。今すぐコストをかけて全修正するメリットよりも、開発を止めるデメリットの方が遥かに大きいためです。また、
「Clean as You Code」はどう機能するのか?
仕組みは非常にシンプルで、開発者の日常業務に自然と組み込まれる設計になっています。
- 導入初期は「新規コード」だけにフォーカス
新規追加されたコードや新機能開発のみを自動スキャンします。既存コードの大量の警告でリリースがブロックされる事態を完全に回避します。 - 過去のコードは「触ったタイミング」で一緒に綺麗にする
バグ修正や機能追加で過去のファイルに変更を加えた際、SonarQubeはその変更箇所を「新規コード」として自動判定します。そのため、コードを新規追加・修正するたびに、過去のコードも綺麗になっていくというシンプルな仕組みが生まれます。 - 開発の流れの中で自然とコードベース全体が健全化
「変更を加えたファイルだけを、作業のついでに綺麗にする」。これを繰り返すことで、よく手が加わる(=ビジネス上重要でバグが起きやすい)主要なコードから順にリスクが自動的に排除されていきます。

既存コードに潜む危険な重大リスクはどうする?
「とはいえ、過去のコードに致命的なセキュリティホールがあったらどうするのか?」という疑問も湧くでしょう。
基本は「新規コード」に集中しつつも、SonarQubeの全体ダッシュボードではプロジェクト全体の状況をいつでも確認できます。
- 日常の開発: Clean as You Code で新規・変更箇所のセキュリティを担保
- 重大リスク管理: 全体ダッシュボードで緊急度の高い重大リスク(Vulnerabilityなど)のみを特定し、個別タスクとして計画的に修正
このように役割を分けることで、開発スピードを落とさずに安全性を確保できます。
まとめ:諦めていたコードセキュリティ、今日から始めませんか?
コードセキュリティ対策のゴールは、「過去のコードすべてを100点にすること」ではありません。「今日からセキュリティ品質を落とさない仕組みを作り、触った場所から着実に綺麗にしていくこと」です。
SonarQubeのQuality Gate を活用すれば、既存の巨大なプロジェクトであっても、リリースを停滞させることなく、今日から安全で持続可能な開発サイクルを回し始めることができます。
「既存コードが大きすぎて手が出せない」と諦める前に、まずは「新規コードだけを守る」第一歩から試してみませんか?
AI駆動開発やセキュリティ、SonarQubeにご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
