営業からエンジニアにジョブチェンジして1年が経過した話 #未経験からエンジニア #クラウドエンジニア #GCP

はじめに
初めまして!
Cloud&Data Platformチームに所属している三又優人です。
2022年に新卒で入社してから4年目になります。
入社してから1年半営業職を経験した後、未経験からクラウドインフラエンジニアにジョブチェンジしました。
「未経験からエンジニアへ」というストーリーはよく聞くかもしれませんが、私の場合は少し変わった道のりを歩んできました。
というのも、もともとはエンジニア志望で入社したものの、最初の1年半は営業職、その後テスターを経て、今はクラウドエンジニアをしています。
このように、かなり紆余曲折ありました。
私と同じように未経験からエンジニアを目指している方や、クリエーションラインの多様なキャリアパスに興味のある方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
なぜエンジニアを志望したか
入社前の私はエンジニアとは無縁の私立文系の大学生でした。
就活の時期にどの業界に行きたいか考えた時に、ITやソフトウェアに興味があったのでIT業界には自然と決まりました。
プログラミングはほぼ未経験でしたが、大学で受講したプログラミング学習が楽しかったことや、最先端の技術を使って世の中を変えていくエンジニアに憧れがありエンジニア志望になりました。
入社前にJavaScriptの学習コースを受講し、自分は向いているだろうという謎の自信もありました。(後ほど打ち砕かれます)
【1年目】入社後から営業になるまで
入社後は3ヶ月ほど研修があり、プログラミングや基本的なIT知識について学びました。
この時にJavaを用いた研修があったのですが、オブジェクト指向の概念が中々理解できず苦労していました。
私以外の2人の同期も一緒に研修を受けていたのですが、2人は経験者だったこともあり、難なく課題をこなしているように見えました。
それを見て私はこう思うようになりました。
「あれ?もしかして自分は向いてないのかも?」
悩んでいた矢先に当時セールスのリーダーだった方から声をかけられます。これが1度目の大きな転機となりました。
「営業興味ない?」
正直なところ、当時は営業という職種にあまり良い印象を抱いていませんでした。私がイメージしていたのは、日常的にかかってくる押し売りのような営業電話。いつも「あ、結構です」と一方的に切っていた、あの電話をかける側にはなりたくない、と思っていました。
しかし、社会人としての基本的なコミュニケーションスキルやビジネス的視点はどの職種にも活きるし、何より視野を広げることが大事だと思い、営業職に就くことになりました。
【1年目】営業として学んだこと
営業として、最初はとにかく場数をこなすために営業電話を片っ端からかけていました。
電話を掛けた時の顧客の反応は様々で、前のめりに話を聞いてくれる人もいれば、明らかに迷惑がって時には暴言を吐いてくる人もいました。
初対面の人に突然電話をかけるのはかなり勇気が必要で、最初は緊張で声が震えていました。
この時の経験のおかげで、顧客とのやり取りで物怖じしないメンタルを鍛えられたと思います。
慣れてきてからは「どう説明したらより興味を持ってくれるか」、「相手の要望に刺さる言い回しは何か」ということを考えることが楽しくなっていました。
営業時代に身に付けたメンタルやコミュニケーションスキルは、エンジニアになった今でも活きていると感じます。
【2年目】営業からエンジニアに
1年半ほど営業を経験したあたりで2度目の大きな転機がやってきます。
社長から直々に予期せぬ提案を受けました。
「エンジニアに挑戦してみないか?」
当時、社内ではエンジニアが不足していました。私が元々エンジニア志望だったことを社長が覚えていてくださり、提案してくれたのだと思います。
正直なところ、すぐには『はい』と言えませんでした。営業の仕事にやりがいを感じていましたし、未経験の分野に飛び込むことへの大きな不安があったからです。
しかしそれ以上に「新しいことに挑戦してみたい」という好奇心が勝りました。
ゼロから新しいスキルを身につけることは、自分のキャリアにとって必ずプラスになる。
そう信じて、再びエンジニアへの道を進むことを決意しました。
【2年目】テスターに
エンジニアになることを決意したのはいいものの、知識もコーディング経験もない中で、初めはテスターとして開発プロジェクトに参画しました。
テスターの業務は、試作段階のアプリケーションをテストしバグを起票するだけではありません。業務の幅は広く、多岐にわたります。
- 試験観点の分析、試験項目の作成
- 開発者やプロジェクトマネージャーとのやり取り
- 社内外の関係者への試験状況の報告
試験項目の作成の際には、全ての条件分岐を満たせているかなど、エンジニアに必要なロジカルな思考が求められます。また、様々な人とのやり取りの中でコミュニケーションスキルも必要になります。
テスターとして開発プロジェクトの要件定義からリリースまでの一連の流れを俯瞰して見れたことも、とても良い経験だったと思います。
実際に開発者の方が書いているソースコードを見ることもできたので、自分が発見したバグをどのように修正しているか確認することもでき、コードに関する知識を身に付けることもできました。
【3年目】クラウドインフラエンジニアへ
テスターを経験した後、満を持して現在のクラウドインフラチームに配属となりました。
この時はコーディング主体の開発よりも、幅広く新しいことを学べるインフラ面に興味を持ちました。
生成AIの登場で、「コードを書くだけならAIの方が優秀になるかもしれない」と感じていました。一方で、多くのシステムが相互に影響しあうインフラの世界は、AIだけでカバーするのは難しい領域です。その点にエンジニアとしての将来性を感じ、インフラ分野がより魅力的に映りました。
現在の業務では、顧客のGCP環境を、GitLab CI/CDとTerraformを用いてIaC(Infrastructure as Code)で管理しています。
開発メンバーへの権限付与や新規プロジェクトの払い出し、ファイアウォールルールの変更など、GCP周りのリソースにコードを用いて変更を加えます。
しかし、当時の私はこのレベルでした。
「IaC? CI/CD? 何それ?」
基本的なITインフラ知識はもちろんのこと、GCPのサービスやIaCの知識も必要となり、最初の頃はとても大変でした。
チームメンバー間で飛び交う専門用語を全く理解できず、業務面でもエラーメッセージを解読するだけで1日が終わってしまうこともありました。
ここで折れずに前に進めた要因が大きく二つありました。
要因1:チームメンバーの助け
私が躓いているときは、積極的にペアプログラミングで問題の解決方法を一緒に模索してくれたり、業務を覚えるまで実際にやって見せてくれました。
要因2:生成AIの存在
使い方は様々で、エラーメッセージをそのまま投げるだけで解決の糸口を教えてくれたり、Terraformのコードを書かせたりしていました。ただ答えを聞くだけでなく、AIの説明の中で分からない箇所を更に深掘りして対話することで、知識を効率的に身に付けることができました。
こうして地道に一歩一歩進んでいき、なんとか業務をこなせるようになっていきました。
おわりに:1年経って思うこと
クラウドインフラエンジニアとしての一歩を踏み出してから、あっという間に1年が経ちました。
常に新しいことに触れながら試行錯誤していくのが、エンジニアの大変なところであり、面白いところだと思います。
「分からない」が「分かった!」に変わる瞬間や、壁を突破して想定通りにプログラムが動いた瞬間の達成感は、何物にも代えがたいものです。
これまでセールス、テスター、クラウドインフラエンジニアと経験してきて思うことがあります。
正直、セールスで学んだスキルがTerraformのコードを書く上で直接役立つわけではありません。しかしこれらの多様な経験があったからこそ、「どんな環境でも学び、乗り越えていける」という確かな自信が生まれました。
一見遠回りに思える経験も、すべてが今の自分を作る糧になっていると自信をもって言えます。
この記事を読んでくれている方の中にも、過去の私と同じように「未経験だから…」「文系だから…」と、新しい挑戦に不安を感じている方がいるかもしれません。
ですが、恐れず挑戦してみて欲しいです。やってみないと分からないことが沢山ありますから。
まずは一歩踏み出してみて、もし「違うな」と感じたら、その時にまた新しい道を探せばいいのだと思います。私自身、もしエンジニアに再挑戦せず「もやもや」を抱えたままだったら、きっと後悔していたはずです。
道のりはまだ始まったばかりですが、これからも目の前のことに全力で向き合いながら、これまでの経験を活かした自分だけの武器を磨いていきたいと思います。
このブログが、これからエンジニアを目指す方や新しいキャリアに挑戦する方への一助になれば幸いです!