『アジャイルな見積もりと計画づくり』から得た気づきと実践のヒント 〜見積もり編〜

こんにちは!
クリエーションラインのEDITの吉羽@なさです。

現在私が参加しているプロジェクトでは、マイク・コーン著『アジャイルな見積もりと計画づくり』が必読書となっており、実際の業務でもアジャイルの考え方に基づいた見積もりや計画づくりを行っています。
本書を読むことで、従来型の管理手法とは異なる「見積もり」「スケジューリング」「チームの協働」に関する大きな価値観の変化がありました。今回はその中から、「見積もり」に関する学びを紹介します。

心に残った2つのポイント

計画は作業単位ではなく“価値単位”で考える

従来のWBSやガントチャートでは、「設計」「開発」「テスト」といった作業を細かく分解してスケジュールに組み込みます。
しかし本書ではこのように語られています。

顧客にとって作業の完了は何の価値にもならない
価値は“顧客にとっての価値=フィーチャ”の提供によって初めて生まれる

この言葉によって、「なぜこの機能を作るのか?」とユーザーの価値を意識して計画づくりをすべきであると気づくことができました。

見積もりと約束は違う

見積もりと約束(コミットメント)を混同すると、以下のような問題が発生します。

  • 無理なスケジュールを守るために品質が犠牲になる
  • チームが疲弊してパフォーマンスが落ちる

アジャイルではこのように切り分けます:

区別説明
見積もりチームによる予測値(ストーリーポイントなど)
コミットメント見積もり+優先順位+チームの実力(ベロシティ)に基づく約束

「見積もりはあくまで予測であり、約束(コミットメント)とは異なる」

見積もりで起きるプレッシャーや難しさは、約束を混同していたことから来るもであると気づくことができました。

プランニングポーカーの魅力とやり方

どのように計画づくりをしていけばいいのか?
それにはまず見積もりですが、2つの単位があります。

  • ストーリーポイント
  • 理想日

私が参加しているプロジェクトでは、ストーリーポイントを使って規模の見積もりを行っています。
そこでは本書に載っているプランニングポーカーという楽しくて効果的な手法を取り入れています。

やり方(ステップ)

  1. プロダクトオーナーがユーザーストーリーを読み上げる
  2. チームメンバーが質問し、不明点を解消
  3. 各自がストーリーポイント(例:1, 2, 3, 5, 8, 13など)をカードで選択
  4. 全員が一斉にカードを公開
  5. 一番高い/低い見積もりをした人が理由を説明
  6. 再度見積もり(最大2回まで)
  7. 合意が取れたところで最終ポイントを決定

見積もりをした実例

こちらは実際にプランイングポーカーでストーリーポイントをつけたものになります。

数字の”8”が付いているストーリーを基準に他のストーリーへ順番に数値をつけていきました。
例えば”5”とついているストーリーは”8”のストーリーと比較したとき「どのくらいの規模になるのか?」と考え、ストーリーポイントを決めています。

ストーリーポイントを決めるのに重要なのは数値ではなく相対値であり、それを楽しく効果的にチーム内で行えるのがプランニングポーカーです。

ちなみに一斉にポイントを決めるためのカードは、各々の手を表示させて行いました。
出した数値がメンバー全員一致したりすると楽しいですよ😊

この手法の素晴らしい点

  • チームの活発な対話から暗黙知を引き出し、見解をまとめた見積もりを実現できる
  • 個人の見積もりを平均したほうがより良い結果を残す傾向があると研究結果がある
  • 見積もりが楽しくなる(←ここ大事!)


まとめ

プランニングポーカーで見積もりをしましたが、実際の進捗に大きなズレや変更は発生していません!
なによりチームで見積もりをするというところに私はとても刺激があり、気づきや学びになりました。
また、チームの見積もり精度だけでなく、チームのまとまりといった観点でも手応えのある成果を得られたことが良かったと思いました!

最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました👍

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